本セミナーでは、治験現場で起こりうる疑問点を考察する方法を、異常値発生機序の理解から解説いたします。
治験の臨床現場において、臨床検査データが異常値を示した際には、臨床医との議論や、カルテに記載された臨床所見から変動原因を追求する。その際に、同一検査項目の変動で、複数種の原因が考えられるものがある。たとえば、溶血あるいは胆道閉塞で起こるビリルビン値の上昇、溶血あるいは肝臓障害で起こるLDH値の上昇などである。また、軽度の変動の際には、基準範囲から逸脱していても臨床医との議論の中で、「生理的変動の範囲」と結論付けられることもある。これら、治験現場で起こりうる疑問点を考察する方法を異常値発生機序の理解から学ぶことを目的とする。