データインテグリティの具体的な手順書作成セミナー

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本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。
また、データインテグリティSOPのサンプルを配布し、データインテグリティSOPの作成方法を説明いたします。

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製薬業界においては、患者の安全性を確保するためにデータインテグリティに関心が高まっています。紙媒体であれ、電子記録であれ、記録 (データ) や文書の信頼性を担保することは極めて重要です。  改正GMP省令では、データインテグリティに関する手順書の整備が求められます。いったいどんな手順書を作成すれば良いのでしょうか。データインテグリティに関する手順書は、企業や組織で1冊作成すれば良いというものではありません。現存の関連するすべての手順書にデータインテグリティを保証するための手順を埋め込んでいかなければなりません。  インテグリティ (integrity) を辞書で引くと「誠実」という意味であることが分かります。では、データが誠実ということは何を意味するのでしょうか。その答えは、規制当局にとってデータが信用できるということです。そのためには、データは作成されてから現在までの経緯 (例:変更) がわかるようにしておかなければなりません。つまり紙媒体であれ、電子記録であれ監査証跡が必要です。監査証跡が必要ということは、データが生データだけではなく、メタデータも含めて完全でなければならないということです。したがって、データインテグリティは、「データの完全性」と訳されます。  ではいったい、データの完全性を担保するためには、どのような事項に留意するべきなのでしょうか。またデータインテグリティが失われた場合、何が問題になるのでしょうか。  昨今の製薬企業では、記録を手書きにより作成することは非常に少なくなりました。多くの場合、記録は電子で作成されます。記録の保管については電子記録を紙媒体に印刷したものに手書き署名 (記名・捺印) をするといったハイブリッドな使用方法が多くを占めます。しかしながら、ハイブリッドシステムでは不正が容易になってしまいます。つまり電子記録を改竄した後に再印刷し、バックデートで署名するといった手口です。  電子記録と紙媒体の管理はどのように行うべきでしょうか。一方において、FDAは1997年に21 CFR Part11を発行し、電子記録の信頼性に関する要求事項を明らかにしました。しかしながら、その要件には実現が困難なものも多くありました。特に問題となったのは、コンプライアンスコストです。規制当局は、患者の安全性を担保するために規制要件を強化する必要がありますが、規制要件を強化しすぎるとコンプライアンスコストを高める結果となってしまいます。製薬企業が負ったコンプライアンスコストは薬価に転嫁され、結果的には患者負担となってしまいます。すなわち、いたずらにコンプライアンスコストを高めてしまうことは、逆に患者に負担を強いる結果となってしまうのです。そこでFDAは、2003年に新しい医薬品監視指導方針として「リスクベースドアプローチ」という方法を発表しました。  FDAの最新のPart11の期待と指導はどのようになっているのでしょうか。またFDAの査察官は、どのように電子記録の不正を見破るのでしょうか。  2015年には、イギリスのMHRAが「MHRA Data Integrity Definitions and Expectations」と呼ばれるガイダンスを発行しました。その内容は非常に参考になります。今後は世界の規制当局が同じようにデータインテグリティに関する期待を述べる機会が増えると思われます。  本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。またデータインテグリティSOPのサンプルを配布し、データインテグリティSOPの作成方法を説明いたします。

  1. はじめに
    • GMP省令の一部改正
    • 改正GMP省令 目次
    • 改正GMP省令の要点 (追加・変更の要件)
    • 患者やユーザ (消費者) にフォーカスする
    • 何のためにデータインテグリティは重要なのか?
    • データインテグリティが失われた際のインパクト
    • 規制当局の関心事
    • ANNEX 11改定版 (2013.1.1より施行)
  2. Risk Management リスク管理
    • リスクベースドアプローチの必要性
    • 製品とプロセスの理解
  3. データインテグリティの誤解
    • データインテグリティの誤解
  4. 改正GMP省令とデータインテグリティ ・データインテグリティ (第8条に追加)
    • 逐条解説 (薬生監麻発0428第2号)
    • データインテグリティ (第20条に追加)
    • 逐条解説 (薬生監麻発0428第2号)
  5. データインテグリティとは
    • インテグリティ (integrity) とは
    • データインテグリティとは
    • データインテグリティの保証
    • データインテグリティ侵害のいくつかの原因
    • なぜデータインテグリティは企業にとってハードなのか
    • データインテグリティのための4つの重要なステップ
    • どのような教育? どのようなコミュニケーション?
    • どのようにリスクをコミュニケートしているかの例 …. そして関連するインパクト
    • 文化と教育は強力なデータ整合性の考え方の基盤である
    • 人は常にコントロールの要素である
    • リスクを理解する: 既知のリスク領域
    • データインテグリティを脅かすリスクの例
    • DLCPM*を通じてリスクを理解
    • プロセス&システム:リスクの発現を防ぐ
    • DI問題に対処する総合的な枠組みの確立
    • アウェアネスにより多くの問題に気付く
  6. 用語の定義
    • 用語の定義
  7. 電子生データとは
    • 電子データは何回コピーしても“生”である
    • 生データとは
    • 生データの取り扱い
    • (生) データの取り扱い
    • 動的データと静的データ
  8. ALCOAとは
    • 1999.4
      FDA “Computerized Systems Used in Clinical Trials”
    • 2007.5
      FDA “Computerized Systems Used in Clinical Investigations”
  9. SOPの作成方法
    • データインテグリティに関するSOP作成の留意点
    • データインテグリティのためのステップ
    • 関連する手順書の改訂のための前準備
    • 関連する手順書の改訂
  10. ハイブリッドシステムの問題点
    • FDAは、21 CFR Part 11施行に伴い、バリデーションの概念を変えた
    • 監査証跡の重要性とは
    • 監査証跡を吹っ飛ばす行為には3種類ある
    • 紙が正か、電子が正か? 〜よくある主張〜
    • タイプライター・イクスキューズとは (Part11における議論)
    • タイプライター・イクスキューズは、日本においても通用しない
    • ハイブリッドシステムとは
    • ハイブリッドシステムの問題点
    • 良くある間違い
    • Excelの問題点
    • Excelの管理の留意点
    • システムが適正にバリデートされれば、電子記録の信頼性は紙媒体よりも高い
  11. Appendix 1. コンピュータ化システムの見直し
    • シンプルから複雑なコンピュータ化システムと生データの関係
    • MHRA GMP Data Integrity Definitions and Guidance for Industry March 2015
      データクリティカリティと内在するインテグリティリスクの規定
    • MHRA GMP Data Integrity Definitions and Guidance for Industry March 2015
      データ品質とインテグリティを保証するシステム設計
  12. Appendix 2. Self Inspectionの重要性
    • Self Inspectionとデータインテグリティに関するMHRAの期待
    • 「Self Inspection」について
    • PIC/S GMP Self Inspection (自己点検)
    • 監査担当者の要件
    • ヒューマンエラー撲滅に向けた生データ信頼性向上の留意点

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