自己修復材料・塗膜の設計と応用展開

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本セミナーでは、自己修復材料について基礎から解説し、耐候性、意匠性を維持しつつ修復性能を向上させる手法をコーティング、フィルム、複合材料への応用事例とともに解説いたします。

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プログラム

第1部 ホスト-ゲスト相互作用による自己修復材料の設計と開発

(2023年7月14日 10:30〜12:00)

 分子が他の分子を識別する分子認識機能を用いて超分子構造を形成することを高分子に利用することにより、「自己修復材料」が実現できることを示す。  ホスト-ゲスト相互作用は可逆的であり、通常、常温・常圧でははずれてもまた、もとにもどるため、ホスト-ゲスト相互作用により形成されたマテリアルは「切れても繋がる」性質を有する。この性質はこれまでの共有結合だけから形成されたマテリアルでは一度切れると繋がらないのとは大きく異なる。本講座では「ホスト-ゲスト相互作用を用いて切れても繋がる」自己修復材料の設計と合成について述べる。  本講習では「自己修復材料」の内、ホスト-ゲスト相互作用を利用した方法を基礎から応用まで習得できるように説明する。ホスト-ゲスト相互作用を高分子に適用することにより自己修復機能を付与することが出来る。高分子物質の自己修復には物理的な自己修復と化学的な自己修復がある。多くの環状分子がポリマーを取り込むことにより形成されるポリロタキサンを用いることにより、変形したマテリアルがもとの形に戻る物理的な修復を実現することが出来る。ホスト-ゲスト相互作用を高分子鎖の間に組込むことにより、切れても繋がる化学的な修復を実現することが出来る。その実例について解説することにより、自己修復の実際について習得することが出来る。

  1. 自己修復材料の設計
    1. 水素結合による自己修復
    2. ホスト – ゲスト相互作用による自己修復
    3. 動的共有結合による自己修復
  2. 環状ホスト分子を用いた自己修復
    1. シクロデキストリン
    2. ポリロタキサン
    3. ポリロタキサンを用いた物理的自己修復
      1. ポリロタキサンの設計と合成
      2. ポリロタキサンのマテリアルへの組込
    4. 高分子側鎖の認識による化学的自己修復
      1. ホストポリマーとゲストポリマーからの自己修復高分子の構築
      2. ホスト-ゲスト包接錯体モノマーを用いた自己修復マテリアルの設計と合成
    5. 自己修復ゲルの開発
    6. 自己修復エラストマーの開発
    7. 高分子の末端の認識による超分子ポリマーの構築
      1. デイジーチェインを用いた刺激応答性高分子の設計と合成
      2. デイジーチェインを用いた人工筋肉の設計と合成

第2部 ポリウレタン水分散体の開発と自己修復塗膜への応用

(2023年7月14日 13:00〜14:30)

 水系ウレタン樹脂の基礎から応用を説明し、水系ウレタン樹脂の自己修復性を付与した応用例を紹介する。その他の高機能化例や今後の展開についても紹介する予定である。

  1. ウレタン樹脂の化学と主な原材料
  2. 水系ウレタン樹脂の種類
  3. 水系ウレタン樹脂の製造方法
  4. 水系ウレタン樹脂の特性
  5. 水系ウレタン樹脂の高機能化
  6. 水系ウレタン樹脂の用途例
  7. 水系ウレタン樹脂の自己修復塗膜への応用
  8. 水系ウレタン樹脂の今後の展開・課題

第3部 イオン性ポリシロキサンの設計と高速自己修復性

(2023年7月14日 14:45〜16:15)

 ポリシロキサンの全モノマー単位にイオン基を導入することで、自己集合性や両親媒性、接着性、自己修復性など様々な機能が発現する。本講座ではイオン性ポリシロキサンの特異的な機能を紹介する。

  1. ポリシロキサンの性状
  2. イオン基導入により発現する機能
    1. 材料設計と評価
    2. 湿度応答性
    3. 自己修復性
    4. 自己集合性
    5. 弾性率の湿度依存
    6. 接着性
  3. 表面処理剤としての展開
    1. 表面処理
    2. 超薄膜の特異的な吸湿モード
    3. 両親媒性表面

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