接着接合には軽量化、組み立ての容易さ、組み立て部品点数削減効果など多くの利点があり、構造部材の一部として大きく期待されています。しかし、体環境性能、耐久性など明らかになっていない部分が多く、人命を左右するような高信頼性が要求される構造物への適応が難しいと言われている。したがって耐久性および高度な信頼性の保証に関する多くの研究が世界中で行われている。
本講座ではまず、接着接合に関して学ぶべき基本事項 (接着メカニズム、接着剤の種類と用途、試験方法と試験機器) を説明します。
次に接合部の劣化のメカニズムを検討し、それを正確に評価する方法について接合強度に視点を置いて解説しています。そして最新の研究事例を紹介しながら、接着接合部の耐久性がどこまでわかっていて、何が課題として残っているのかについても言及します。
それにより接着接合の評価を初めて学ぶ方、これから始める方およびすでに始めているが接着研究がどこまで進んでいるのかを知りたい方にもお聞きいただける内容です。
- 基礎編
- なぜ接着接合なのか.長所と短所
- 接着剤の種類と特徴
- 構造用接着剤とは
- 接着剤の分類の仕方 (成分系、硬化方法など)
- 代表的構造用接着剤:エポキシ系ウレタン系アクリル系シリコン系
- 被着体は表面処理が重要=種類と効果
- 接合強度試験片の種類
- SLJ (シングルラップジョイント)
- DCB (ダブルカンチレバービーム)
- Bulk (バルク;接着剤硬化物)
- T – Peel (T型ピール)
- IWP (インパクトウエッジピール)
- 強度評価試験に用いる試験片とその目的
- 実際の耐久性強度評価
- 考慮すべき環境負荷
- SLJの引張試験の評価の注意点
- LJの疲労試験;繰り返しひずみによる強度低下
- 水分による強度低下
- DCB試験片を使用した測定
- 研究事例
- 高分子材料 (接着硬化材) の広範囲速度依存性 (クリープから衝撃まで)
- 繰り返しひずみを受けた重ね合わせ継手の残存強度
- 水分により強度劣化したDCB試験片のエネルギー解放率と亀裂進展速度の関係
- 高温強度の正体、なぜ強度は温度に影響をうけるのか.
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