原子層堆積法は、ナノの酸化物薄膜を複雑形状にもコンフォーマルで形成できることから、LSI製造に利用されています。近年では、LSIのみならず、MEMS、太陽電池、機械部品、PETボトルへのコーティングにも活用が検討されています。原子層堆積での高品質膜の達成のため、表面反応を中心とした反応機構の理解と、モニタリング、そして適切な材料選択、プロセス調整の知識が欠かせません。
山形大学ではこれまで原子層堆積法のその場観察と低温化研究を進めてまいりましたが、我々の研究成果を題材に、原子層堆積法の特に表面反応を中心とした機構理解の達成を目標とします。さらに最新研究成果として3D-CoolALD (室温三次元成膜ALD) による各種酸化物膜の室温形成技術について解説いたします。
- 原子層堆積法の基礎
- 原子層堆積法とは
- 原子層堆積の開発の歴史
- 熱ALDとプラズマALD
- 事例紹介
- 原子層堆積における表面反応機構
- 原料分子の吸着反応 〜ラングミュア-型解離吸着〜
- 飽和吸着のモニタリング手法
- プリカーサーの選択
- 吸着表面の酸化反応
- 酸化種の選択
- 酸化物表面と水の反応
- 酸化物表面と水素脱離
- フォーミングアニールと界面層の問題
- 不純物モニタリング法
- 山形大学開発室温三次元成膜ALDの解説
- SiO2の室温形成事例とペットボトル・アクリル樹脂コーティング
- 生体親和膜TiO2の室温形成事例とペットボトルコーティング
- Al2O3の室温形成事例
- HfO2の室温形成事例
- Fe2O3の室温製膜事例
- アルミナシリケート薄膜の室温製膜事例とイオン吸着フィルターへの応用
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