分子動力学 (MD) 法の基本原理・具体的な技法から高分子材料開発への応用

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理論、実験に次ぐ第3の手法である「計算科学」は、コンピュータの高性能化に伴い、産業界においても実用的に活用されつつあります。計算科学には種々の手法がありますが、分子動力学 (MD) 法は、原子レベルのミクロなシミュレーションにより、マクロな熱力学量や各種物理量を直接算出できる特徴があり、分子レベルの材料設計に適した手法です。また、近年発展が著しいデータサイエンス・AIを用いた材料設計手法とは相補的な関係にあり、両者を組み合わせることにより活用の道が広がります。  本セミナーでは、MD法の基本原理、具体的な計算手法、物理量の算出法について、背景も含めて基礎から丁寧に解説します。さらに、高分子材料開発、特に機能性分離膜の設計に関する応用事例を紹介します。

  1. 計算科学の方法
    1. 計算科学とは
    2. 各手法の特徴、マルチスケール
    3. データ駆動型手法との協調
  2. 分子動力学 (MD) 法の基礎
    1. ポテンシャル関数・力場
    2. 運動方程式の解法
    3. 長距離力の計算
    4. アンサンブルの発生
      • 温度
      • 圧力制御
    5. その他の各種手法
  3. 解析方法と得られる物理量
    1. 熱力学量の計算
    2. 静的諸量
      • 分子構造
      • 動径分布関数
      • 構造因子
      • 水素結合数
    3. ダイナミックス
      • 輸送係数
      • 時間相関関数
      • スペクトル
    4. 自由エネルギー
  4. 高分子材料開発への応用
    1. MDシミュレーションの実際
    2. アモルファス構造とガラス転移温度
    3. 結晶構造
    4. 機能性分離膜の設計
    5. ソフトウエアとMD法活用のポイント

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