生体計測による感情推定技術と応用事例

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本セミナーでは、生体情報による感情センシングの基礎から解説し、ドライバ状態、マーケティング、ストレス・疲労などへの応用に向けた最新事例を多数紹介いたします。

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プログラム

第1部 生体情報による感情センシング

(2023年5月24日 10:30〜12:00)

 COVID-19によるパンデミックを経験した人類は、オンラインコミュニケーションなどの新たな道具を獲得し、さらに豊かな社会の実現へ邁進するだろう。しかし、こうした大きな社会変革期には、同時に大きな”副作用”も伴う。その最たるものが、人間同士のふれあいの喪失ではないだろうか。ビジネス会議、診療、授業といった他者との関わりは遠隔化され、そこでは肌のふれあいやアイコンタクト、表情の交流が欠落する。この欠落が積み重なることで、人間集団の一体感や信頼関係が損なわれ、ひいては社会の生産性が低下してしまうのではないか。  こうした問題意識から、私たちは人間のふれあいを支援するための感情センシング技術の開発に取り組んでいる。とくに、カメラやバイタルセンサといった生体情報を非接触に同期計測可能なマルチモーダル・センサシステムと、これらのセンサデータを活かし合う高度なAI技術の開発に取り組んでいる。本講演ではこの研究開発の紹介を中心に、感情センシングの研究開発/社会実装に向けた課題にも触れる。加えて、人の集中度や不快感といった多様な心の状態をセンシングする取組みについても時間の許すかぎり紹介したい。

  1. 感情センシングが求められる背景
    1. 脅威
    2. 機会
  2. 感情研究の概観
    1. 感情の理論
    2. 感情の心理学/生理学
    3. 感情の神経科学
    4. 感情研究の課題
  3. 事例1: オンライン対話における感情推定
    1. 顔の見えない/声なき参与者の増加
    2. オンライン対話場面の感情モデル開発
    3. ミリ波センサによる心拍計測
    4. カメラ画像からの表情・しぐさの計測
    5. 感情と生体情報の同期計測システムの開発
    6. オンライン対話コーパスの構築
    7. 感情推定AIの開発
    8. 心理物理学的感情センシングの開発
  4. 事例2: 自動車ドライバの集中度推定
    1. ヒューマンエラーと集中度
    2. 集中度と眼球運動
    3. 眼球運動からの集中度推定AIの開発
  5. 事例3: 不快感の脳イメージング
    1. 映像酔い発生リスクの増大
    2. 機能的磁気共鳴画像法による脳活動計測
    3. 映像酔いの脳過程
  6. 感情センシングの社会的課題
    1. プライバシー
    2. 個人情報

第2部 生体計測によるドライバの感情推定システム

(2023年5月24日 12:50〜14:20)

  1. はじめに
  2. 生体信号の測定
    • 筋電位
    • 脳波やバイタル
    • 運動情報
  3. ドライバの状態推定技術
  4. 生体情報を用いた状態推定・予測技術

第3部 感情をセンシングする 〜要素技術の最新動向とデンソーテンの取り組み〜

(2023年5月24日 14:30〜16:00)

 ICTは人の生活を豊かにし、人の成長を支援することで、生活の価値を向上させていくことが期待されています。そのためには人を理解し人に寄り添うインターフェースが必要です。この講座では、人の内面である「感情」を理解しそれをうれしさに変える、さまざまな取り組みをご説明いたします。

  1. 世の中のサービス事例
    1. 感情の代表的な適用事例
    2. マーケティング
    3. 安心・安全
    4. 仕事の効率化
  2. センサ
    1. 生体信号の種別と特徴
    2. 脳波 (EEG) と脳波センサ
    3. 心電 (ECG) と心電センサ
    4. 心拍センサと心拍間隔 (RRI)
    5. 脈波センサ
  3. アルゴリズム
    1. ラッセル円環モデル
    2. エクマン表情推定モデル
  4. デンソーテンの感情見える化技術
    1. 従来技術
    2. 課題と着眼点
    3. アプローチ
    4. 開発技術と性能
    5. 今後の取り組み

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