第1部 高分子レオロジーの基礎と 粘弾性データ解析手法
(2023年6月8日 10:30〜13:50)
高機能・高性能な高分子材料の開発において、得られた材料の特性を評価することは必須である。高分子材料はその材料種に特有の緩和時間をもち、これが材料の硬い、軟らかいといった変形に対する応答と密接に関係している。
本講座を通じてレオロジーや粘弾性測定についてのイメージを掴み、実際の測定や解析に活かすことを目指す。まずレオロジーという学問を簡単に紹介したうえで粘弾性測定の重要性を示し、線形粘弾性理論について説明する。さらに、それらの知見を踏まえて、無定形高分子・結晶性高分子の粘弾性挙動について具体例を用いて解説し、実際の材料を扱う際のポイントや解析手法について述べる。
- 粘弾性測定
- レオロジーとは?
- 粘弾性測定の基礎 (応力とひずみ)
- 刺激と応答 (因果律)
- 線形粘弾性理論
- 応力緩和 (マクスウェルモデル) とクリープ (フォークトモデル)
- 緩和時間
- 緩和時間と観測温度
- 緩和スペクトル
- 静的試験と動的試験
- 無定形高分子の粘弾性
- 高分子の粘弾性の温度依存性
- 温度-時間換算則、シフトファクター、活性化エネルギー
- ガラス-ゴム転移領域
- 高分子鎖のからみ合い
- からみ合い点間分子量と臨界分子量
- 結晶性高分子の粘弾性
- ポリエチレン固体の粘弾性スペクトル
- 緩和強度の算出方法
- まとめ
第2部 レオロジー測定データとその解釈
(2023年6月8日 14:00〜16:30)
典型的な粘弾性体は高分子材料であり、その分子運動と粘弾性特性との関係を研究目的とし、長年発展してきました。また、多くの高分子材料はフィルムやファイバーのように成形加工され、その加工条件の決定にレオロジー測定が重要なパラメータとして用いられております。
本講演では、初心者の方から既にレオロジー評価に従事されている方に向けて、レオロジー測定の基礎と各種測定手法の解説、最適な測定条件の決定方法など、様々な高分子材料の測定データとその解釈について詳細に解説します。
- レオロジーとは
- 粘弾性・レオロジーとは?
- 粘弾性体とは?
- 産業分野における粘度・粘弾性測定の活用例
- レオロジー測定の基礎
- レオロジー測定とは?
- レオロジー測定の概要
- 回転 (静的) 測定の概要
- 回転測定の概要
- 剪断速度の求め方
- 変形方法
- レオロジー変数の求め方
- 回転測定の応用例
- ニュートン流動現象 〜粘度が変形速度によらず一定?〜
- シアシックニング 〜粘度が変形速度と共に上昇?〜
- シアシニング 〜粘度が変形速度と共に下降?〜
- 振動 (動的) 測定の概要
- 振動測定の概要
- 変形方法
- レオロジー変数の求め方
- 固体・液体の応力波形
- 各種振動測定の応用例
- 周波数分散測定と測定例 〜長期分散安定性〜
- ひずみ分散測定と測定例 〜内部構造の強さ〜
- 温度・時間分散測定と測定例
- 動的粘弾性測定 (DMA) の概要
- 動的粘弾性測定 (DMA) の概要
- 各測定治具の詳細と測定対象物、温度制御システムの選択
- 高分子材料のレオロジー評価
- 高分子材料のレオロジー評価
- 主な高分子材料の測定例
- 粘着剤の粘着性
- 成形加工におけるレオロジー評価 〜成形条件
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