第1部 光触媒技術を活用した二酸化炭素の還元と資源化のポイント
(2023年5月31日 10:00〜12:00)
本講演では、まずCO2の再資源化に向けた光触媒技術開発の意義と位置づけについて述べ、CO2分解光触媒を理解するために必要となる半導体材料の基礎知識 (電子構造、接合・界面、光物性) について解説する。その後、CO2分解光触媒の利用方法 (装置構成) や活性評価法について説明し、高活性な光触媒活性を実現するための材料設計の考え方について、最近の研究例を交えながら紹介する。また、講演者が行っているカーボンナノチューブを利用した光触媒の高機能化に関する研究事例についても紹介する。最後に現状のCO2分解光触媒技術の課題と今後の展望について述べる。
- 研究背景
- CO2再資源化の意義
- CO2分解光触媒の特徴 (電気分解との比較)
- 光触媒技術の基礎
- 太陽光スペクトルの定量的な理解
- 半導体光触媒の基礎
- 半導体のバンド構造
- 半導体の接合
- 半導体と電解液の界面
- 半導体の光励起と励起キャリアダイナミクス
- 助触媒
- CO2分解光触媒の評価法
- 事例紹介
- CO2分解光触媒の研究動向 (材料設計にあたっての考え方)
- カーボンナノチューブの基礎
- カーボンナノチューブ利用によるCO2分解光触媒の高活性化
- 課題と今後の展望
- まとめ
第2部 光触媒を用いた二酸化炭素の資源化、燃料化の仕組みと実用化への課題
(2023年5月31日 13:00〜16:00)
CO2を再生可能エネルギーと安価な材料を利用して、燃料および化学原料に変換できれば新たなカーボンニュートラルサイクルを形成することができる。
本講演では光触媒を用いてCO2をメタンおよびエチレンやプロピレンに変換する研究について述べる。金属酸化物の表面欠陥サイトと添加する金属ナノ粒子とを組み合わせた例を中心に解説するが、光触媒を改良するためにはその反応過程の理解が肝要となる。同位体標識、蛍光発光、X線吸収微細構造、フーリエ変換赤外分光、等により高効率CO2光燃料化・資源化について考える。
- CO2による地球温暖化
- 再生可能エネルギーの現在
- 新たなカーボンニュートラルサイクル
- 半導体式光触媒とは
- CO2光CO化触媒
- 背景
- 同位体標識光反応試験
- キャラクタリゼーション
- 反応機構
- CO2光メタン化触媒
- 背景
- 同位体標識光反応試験
- キャラクタリゼーション
- 反応機構
- CO2光エチレン・プロピレン化触媒
- 背景
- 同位体標識光反応試験
- キャラクタリゼーション
- 反応機構
- 実用化を目指した今後の進展
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