第1部 ICH M7ガイドラインのポイントとニトロソアミン類の問題と対応
(2023年5月17日 10:30〜12:30)
医薬品の品質に関してはGxPという規制で厳しい管理が求められている。特に不純物に関しては不純物プロファイルによって同等性評価が行われ、個々の不純物の安全性評価が重要となる。ICH Q11やICH M7で要求されている遺伝毒性不純物の取り扱いは許容限度値が単位となることから製造現場では特に気を遣う作業であり、最近バルサルタン問題が起こったことから一層厳しい管理が求められるようになった。遺伝毒性不純物の取り扱いに関する一般的な知識を解説する。
- ICH M7ガイドラインの適用範囲と現場への落とし込み
- 市販製品に対する検討事項
- 製造工程と製剤中の不純物に関する評価
- ハザード評価の要件
- リスクの特性評価
- TTCに基づく許容摂取量
- 化合物特異的なリスク評価に基づく許容摂取量
- 発がん性陽性データを有する変異原性不純物
- TD50からの直線外挿の例
- AIの算出例
- 一生涯よりも短い期間の暴露に関する許容摂取量
- 複数の変異原性不純物に関する許容摂取量
- 製造工程由来不純物及び分解物の管理
- ニトロソアミン類の問題と規制当局との対応
- バルサルタン問題の影響
第2部 QSAR解析による変異原性予測の現状
(2023年5月17日 13:30〜15:00)
突然変異の初期に生じるDNA損傷性を検出するAMES試験は、潜在的な発がん性や遺伝毒性を有する化学物質を迅速かつ簡便に同定する方法として多様な分野で活用されている。本講演ではAMES試験のQSAR予測に焦点を当て、DNA損傷を誘発する化学構造上の特徴、予測モデルの構築法、および市販されているAMES試験予測ソフトウェアの精度について解説するとともに、変異原性予測に関する最新の知見を紹介する。
- 変異原性を誘発する化学物質
- 変異原性の実験的評価法
- 変異原性を誘発する化学構造
- 変異原性データベース
- 変異原性解析ツール
- QSAR解析の基本
- 多様なQSAR解析法 – 統計手法、機械学習 -
- 化学構造の取り扱い上の注意点 – 記述子の生成、過学習の回避と検証法 -
- QSAR予測モデル構築の実際
- AMES試験予測精度
- 市販ソフトの予測性能比較 – 多様な評価指標と解釈 -
- 変異原性のQSAR予測に関する現状と展望
第3部 市販QSARソフトウェアにおける変異原性評価の現状と課題改善
(2023年5月17日 15:15〜16:45)
ICH M7ガイドラインでは,医薬品不純物の変異原性評価 (Ames試験) に構造活性相関に基づいたin silico評価が有用とされている。しかし,世の中のAmes試験結果の大半を占める一般化学物質と実際の医薬品の化学構造は,化合物空間において異なる領域に分布していることから, データソースとして一般化学物質が多くの利用されている市販QSAR (Quantitative Structure-Activity Relationship) 変異原性予測ソフトウェアの予測性能は限界がある。本講演では,市販QSARソフトウェアを用いた医薬品不純物における変異原性評価方法とその課題を解説するとともに,その課題改善を目的として開発した機械学習 (特徴量) を活用した変異原性予測システムについて紹介する。
- 医薬品不純物における変異原性評価
- ICH M7ガイドラインに則った評価フロー
- 文献調査
- 構造活性相関 (QSAR) を用いた変異原性予測
- 結果の解釈
- エキスパートジャッジメント
- クラス分類
- 市販QSARソフトを用いた変異原性予測評価とその課題
- 機械学習を用いた変異原性予測システムの開発
- ワークフローを用いた予測
- Amesデータベースの構築
- テキストマイニングを活用した警告構造の情報抽出
- リードアクロス法による化合物類似性評価
- DNA結合能あるいは求電子性を活用した評価
- 各特徴量を用いた機会学習モデルによる予測
- QSAR変異原性予測評価の応用
- OECD principles guidelines for developing and validating QSAR modelについて
- Global QSARモデルからLocal QSARモデルへの変革
複数名同時受講割引について
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アカデミック割引
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