カーボンナノチューブの分散安定化、複合化と評価技術

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本セミナーでは、カーボンナノチューブについて取り上げ、不純物の影響を抑える方法、不純物の除去方法、分散状態の測定・評価、複数の測定結果から分散状態を評価するポイントを詳解いたします。

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開催予定

プログラム

第1部 伸長流動場を用いたカーボンナノチューブの混練・分散技術の開発

(2023年5月16日 10:00〜11:30)

 機能性材料の開発のためにナノコンポジットやポリマーアロイは常に注目を集めている。しかしながら、工業的プロセスとして生産コストを抑えるためには溶融混練法による連続混練技術が必用不可決であり、高度に均一分散させるプロセスが求められている。  本セミナーでは、従来の混練技術のメカニズムから、分散とプロセスの関連性、伸長流動の基礎からその技術を用いた混練技術まで事例を踏まえながら紹介する。

  1. 分散のメカニズムと溶融混練法におけるナノ粒子分散プロセス (既往の研究)
    1. 分散混合と分配混合
    2. 剪断流動下におけるナノ粒子の分散メカニズム
    3. ポリマー中におけるナノ粒子の分散評価手法
    4. 混練機によるナノ粒子の分散とプロセスパラメーターの関係
    5. ナノ粒子分散のための二軸押出機を用いた特殊混練法の紹介
  2. 伸長変形・伸長レオロジーの基礎
    1. 固体力学でみる剪断変形・伸長変形
    2. 伸長変形の種類
    3. ひずみ速度別にみる伸長レオロジーの測定方法
  3. 伸長流動を用いた混練技術
    1. 混練プロセスにおける伸長流動の可能性
    2. 単純伸長流動場におけるナノ粒子の分散効果
    3. 伸長流動を取り入れた混練装置・混練プロセスの紹介
    4. 射出成形における伸長流動混練プロセスの導入事例

第2部 CNTの可溶化と高分子との複合化技術

(2023年5月16日 12:30〜14:00)

 カーボンナノチューブ (CNT) は、突出した特性、機能をもつ1次元導電性分子ナノワイヤーであるが、固体状態では強いπ-π相互作用やファンデアワールス力により束 (バンドル) 構造体を形成し、溶媒には分散困難である。可溶化によりCNTの基礎物性の解明、およびその応用は飛躍的に広がる。ここでは、CNT可溶化と可溶化CNTの複合材料 (コンポジット、エネルギー材料) への応用について私たちの最新のデータ、事例をもとにわかりやすく講演する。

  1. CNT可溶化の重要性と事例
    1. CNT可溶化の重要性
    2. 様々な可溶化の事例
  2. 金属性CNTと半導体性CNTの分離
    1. 様々な分離の事例
    2. 私達の最新の研究成果
  3. CNT複合材料の創製
    1. 高分子との複合化
    2. バイオ分野への応用
  4. カーボンナノチューブを素材とする新しい電池材料
    1. Pt型燃料電池
    2. 非Pt型燃料電池
    3. 非Pt型空気-亜鉛電池

第3部 CNTの有機溶剤への安定コロイド分散とデータサイエンスによるメカニズム推定

(2023年5月16日 14:10〜15:40)

従来は諦められていたと思われる分散剤を用いたCNTの溶剤分散が実現されていることを知っていただく。

  1. カーボンナノチューブの高収率分散とその普遍性
    1. カーボンナノチューブの特徴
    2. 分散の分類
    3. 分散剤を用いた有機溶剤分散の普遍性
  2. 安定なコロイド分散に必要と推定されるパラメータ群に関する考察
    1. 機械学習による特徴量抽出
    2. 安定なコロイド分散に必要と推定されるパラメータ群に関する考察
    3. 新規分散剤
    4. カーボンナノチューブの構造分離に関する研究

第4部 カーボンナノチューブの官能基評価

(2023年5月16日 15:50〜16:50)

 カーボンナノチューブ (CNT) は分散性向上等の観点から、官能基を付与する取り組みがなされているが、官能基の種類と量とその分布を評価する技術は十分には確立されていない。本講演では、国立研究開発法人産業技術総合研究所・ナノチューブ実用化研究センター (現:ナノカーボンデバイス研究センター) と共同で実施した、複数手法によるCNTの官能基評価事例を元に、CNTの各種評価方法、特に官能基の定量方法に重点を置いて紹介する。

  1. カーボンナノチューブの表面状態と官能基について
  2. カーボンナノチューブへの官能基付与
    1. 官能基付与操作
    2. 官能基付与後の状態確認
  3. カーボンナノチューブの官能基評価技術
    1. 官能基の種類について
      1. 赤外吸収法
    2. 官能基の量について
      1. Boehm法 (中和滴定法)
      2. 熱重量分析
      3. 重量変化測定
      4. 昇温脱離法 (TPD-MS)
      5. XPS
    3. 官能基の分布について
      1. SEM/EDSマッピング
  4. まとめ

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