DAC (Direct Air Capture) などへの展開を含めた「CO2」を吸着・吸収する材料・技術の設計、応用、今後の展望

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
オンライン 開催

日時

開催予定

プログラム

第1部 固体および液体系のCO2吸着材・吸収材について

(2023年4月28日 10:00〜11:10)

 脱炭素社会実現に向けて地球温暖化ガスであるCO2に対して高い吸着特性を有する材料開発が求められている。本講演ではCO2に対して高い吸着特性と容易に再生可能な材料開発と将来への展望について解説したい。

  1. 無機化合物を中心としたCO2吸着材の紹介
    1. 固体無機化合物
    2. 微細孔を有する物質
    3. イオン液体
    4. MOFなど
    5. その他
  2. ゼオライトによる常温でのCO2吸着の現状
    1. これまでの研究例の紹介 (低圧から常圧)
    2. 表面修飾
  3. DAC (Direct Air Capture) をめざした吸着材について
    1. 吸着材としての無機化合物の利用
    2. 吸着材としてのイオン液体の利用
    3. その他の系 (膜利用、藻の利用など)
  4. CO2の選択的分離吸着・活性化への展望
    1. CO2の選択的分離
    2. CO2の活性化
    3. 一酸化二窒素 (N2O) 吸着現象

第2部 DAC (Direct Air Capture) :大気中CO2を選択的にする

(2023年4月28日 11:20〜12:30)

 CO2削減技術のひとつとして、近年大気中のCO2を直接回収するDAC技術が注目されています。我々は、従来では困難であった大気中CO2を選択的に回収する技術を開発しました。大気中の水分を吸収しないことが特徴であり、CO2の加熱放出/濃縮時に水加熱分の余分なエネルギーがふようとなります。基質によってはCO2のみを回収できるため、回収時に高純度CO2を直接得られる利点も兼ね備えています。  本発表において、その経緯や最新動向を含め、我々の技術について紹介します。

  1. CO2回収技術の概説
    1. CCSDAC 技術について
    2. CCSとDACの特徴
  2. 低分子アミンを活用したDAC開発
    1. 開発経緯
    2. 化学吸収法の課題点抽出
  3. 水分をも分離する耐水性 DAC開発
    1. 概念技術獲得
    2. 応用技術最新情報

第3部 ゲート型吸着剤 (Flexible PCP/MOF) を活用したCO2吸着分離の可能性

(2023年4月28日 13:20〜14:30)

 構造柔軟性を持つ金属有機構造体 (Flexible PCP/MOF) は、 既存の吸着剤とは全く異なるステップ状の吸着挙動 (ゲート吸着) を示す。  本講演ではゲート型吸着剤を用いたCO2吸着分離プロセスの実現に向けた講演者の最新研究について解説する。

  1. Flexible PCP/MOFの概要
    1. 金属有機構造体 (PCP/MOF) の分類
    2. Flexible PCP/MOFとゲート吸着挙動
  2. ゲート吸着の特徴
    1. ゲート吸着の熱力学理論
    2. 自己熱補償能
  3. ゲート型吸着剤を用いたPSAプロセスの試算
    1. 等温過程における吸着性能評価
    2. 断熱過程における吸着性能評価
    3. Slipping-off問題とその解決策
    4. PSAプロセスにおける分離性能の試算
  4. ゲート型吸着剤を用いたPSAプロセスの詳細評価に向けて
    1. ゲート型吸着等温線の理論式
    2. ゲート吸着の吸着速度式
    3. ゲート型吸着剤の賦形と微粉化・緩慢化現象

第4部 冷熱を利用した大気中CO2直接回収技術

(2023年4月28日 14:40〜15:50)

 IEA Net Zero by 2050に拠れば、2050年に炭素中立を達成するために回収すべき二酸化炭素量は、全世界で76億トンである。大気中からの二酸化炭素直接回収 (Direct Air Capture、DAC) は、そのうちの9.8億トンとされる。大気中400ppmの二酸化炭素を分離回収することは極めて困難である。化学吸収、物理吸着、膜分離など、いくつかの分離技術があるが、そのうち化学吸収法は、二酸化炭素分離回収技術として最も古くから利用されている。化学吸収法は、二酸化炭素を取り出す際に、多くのエネルギーを要するが、大気中の超低濃度の二酸化炭素をより確実に捕捉するという観点からは、化学反応を利用する手法が優位と考えている。  本講演は、各地で進む大気中二酸化炭素の技術開発の動向、演者が開発を進めている冷熱を利用した化学吸収法による大気中二酸化炭素直接回収技術の開発状況や展望について述べる。

  1. 予想される二酸化炭素回収市場規模
    1. IEA NET Zero シナリオ
    2. 2050年我が国で想定される二酸化炭素回収・除去設備の設置状況
    3. 二酸化炭素回収設備の資本コスト
  2. 各地で進む大気中二酸化炭素の技術開発の動向
    1. 商業運転中の二酸化炭素回収貯留
    2. 火力発電排ガス中二酸化炭素回収設備
    3. 大気中二酸化炭素直接回収 (DAC)
  3. 低濃度二酸化炭素回収に適した分離技術と何か
    1. 二酸化炭素分離回収技術の概要
      • 化学吸収
      • 物理吸着
      • 膜分離
    2. 二酸化炭素回収技術の比較
    3. 低濃度二酸化炭素回収に適した技術
    4. 二酸化炭素分離回収コスト比較 (石炭火力排ガス)
  4. 冷熱を利用した大気中二酸化炭素直接回収の開発状況と展望
    1. 冷熱を利用した大気中二酸化炭素直接回収Cryo-DACR
    2. Cryo-CaptureRの展望

第5部 セメント系材料によるCO2吸収・固定と最近の技術動向

(2023年4月28日 16:00〜17:00)

 セメント系材料は、二酸化炭素 (CO2) を吸収し安定的に固定する特性を持っており、近年、このような特性を活用した新しいセメント製品・技術アプローチへの関心が高まっている。本セミナーではこれら最近の技術動向と当社取組みについて解説する。

  1. はじめに
    1. セメント製造と資源循環
    2. セメント産業におけるカーボンニュートラル
  2. セメント系材料によるCO2吸収・固定
    1. 炭酸化のメカニズム
    2. 大気中からのCO2吸収・固定
    3. 工業プロセスによるCO2吸収・固定
  3. 炭素循環に向けた当社の取組み
    1. セメント工場におけるCO2分離回収
    2. サプライチェーンにおけるカーボンリサイクル
  4. おわりに

受講料

複数名同時受講割引について

アカデミック割引

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

ライブ配信セミナーについて