本セミナーにおいては、量子コンピュータの基礎と最新研究開発動向について解説いたします。
また、商用化に向けた問題点や技術的課題、量子コンピュータビジネスの可能性について議論いたします。
アメリカ政府は、量子国家イニシアチブ法を成立させ、量子コンピュータ等の量子技術開発に対して大規模投資を2019年より開始しました。一方、内閣府は、2022年に新たな量子戦略「量子未来社会ビジョン」を策定しました。また、産学官で量子技術の応用可能性を検討する「量子技術による新産業創出協議会Q-STAR」が2021年に立ち上がりました。このように、最近量子コンピュータ業界は大きな転換期を迎えています。量子コンピュータとは、量子力学原理を情報処理に積極的に利用したコンピュータのことです。量子コンピュータを用いると、因数分解、機械学習、量子化学計算等の特定の数学的問題を高速に解くことが可能となります。そのため、Google, Intel, IBM, Microsoft, Amazon, Alibabaといった国際的大企業やRigetti Computing, Ion Q, 本源量子などのスタートアップが量子コンピュータ開発やビジネス展開に向けた取り組みを行っています。しかしながら、誤り耐性機能を搭載した実用的大規模量子コンピュータを実現するためには、少なくとも20〜30年以上の長い時間が必要であると考えられています。 本セミナーにおいては、量子コンピュータの基礎から最新研究開発動向まで非専門家向けに可能な限りわかりやすく解説を行います。また、量子超越性実証、ノイジーな中規模量子コンピュータ (NISQ) 、量子誤り訂正技術、超伝導量子コンピュータ、中性原子量子コンピュータ、クライオCMOS集積回路,大型冷凍機などの最先端トピックスに加えて、実用化に向けた技術課題、ビジネス展開の可能性についても紹介を行います。