後発首相をヘッドとするGX実行会議が、昨年末「GX実現に向けた基本方針 〜今後10年を見据えたロードマップ〜」を発表しました。これが今後10年間の日本の気候変動緩和政策のアプローチを規定します。そして「成長志向型カーボンプライシング構想」がその中心に位置することになります。この基本方針は、経済産業省のかなり戦略的な考え方が見て取れます。
このセミナーにおいては、このGX基本方針およびマイルストーンを俯瞰して、日本政府/経済産業省が、今後10年間の方針をどう青写真化していて、われわれはそれをどう理解また対応していけばいいのか?という点を考察します。一方で、カーボンプライシングの側面から見た場合、アプローチの考え方自体が本来のカーボンプライシングの考え方とかなり異なるものとなっています。その中でも、今年の4月からはGX-ETSという一種の排出量取引制度のパイロットが動き出し、2026年度から本格化することになっていますが、複雑で分かりにくいものになっています。炭素に対する賦課金も含めた、日本の今後のカーボンプライシングの展望を考えてみます。また、企業としてはカーボンクレジットというツールも使えますが、これもかなり複雑です。これらをできるだけポイントを明確にしながら、ご説明したいと思っています。
- 気候変動に関する日本の置かれた背景と現状
- 国際制度や各国の動き
- 日本の目標と排出量実態の分析
- 気候変動緩和政策の戦略的視点
- GX基本方針とその戦略性
- 基本方針の構成要素
- 背景となる考え方
- GX経済移行債と成長志向型カーボンプライシング
- 主要なマイルストーン
- 企業としてのGX戦略の活用方法とリスク管理
- カーボンプライシングの視点
- 外部性を内部化する本来のカーボンプライシング
- GX基本方針における成長志向型カーボンプライシング
- GX-ETSとはどういうものか?
- 新設の炭素に対する賦課金の意味
- カーボンクレジットの理解と利用に関して
- カーボンクレジットとアローワンスの違い
- 日本の制度
- J-Credit
- JCM
- 超過削減枠
- グリーン証書
- 国際的なカーボンクレジットの理解
- 企業にとってのリスクと新しい付加価値の活用方法
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