グローバル競争が続く車載電池は正に経済安全保障にまで発展しており、産業界だけではなく国益としての国を挙げた政策が必要になっています。各国の電動車に関する加速法規や米国のインフレ抑制案、EU発の電池リサイクル規制案など、日本にとっては逆風の方が強くなっている状況が続いています。そのような中で、海外勢の自動車各社と電池各社の動向を睨みながら、国内の自動車各社と電池各社にも大きな動きが出てきています。一方、安全性にまつわる現状では海外のEVやPHEVで火災事故とリコールが頻発してきたのに対して、日系の電池を搭載した日系自動車各社のxEVでは26年の長きに亘って公道での火災事故は1件もなく、圧倒的な信頼性を実績として打ち出しています。
液系リチウムイオン電池に対しては、経済産業省主導の「蓄電池産業戦略官民協議会」が2021年11月から22年8月末まで開催され、講師も有識者委員として多くの提案を行ってきました。結果として、国も電池産業に投資する方向付けを行いました。そして次世代電池として期待されている全固体電池は、実用化までのロードマップが延びつつあり、課題の大きさが浮き彫りになっています。将来のあるべき日本の電池産業に向けての課題と解決についても解説します。
- 自動車電動化の法規動向と対応
- 米国ZEV法規発効からの電動化の流れ
- 各国の環境規制と電動化の加速
- 中国の電池政策〜NEV規制の方針転換の影響
- 自動車各社の取り組みと電池戦略
- トヨタ自動車
- ホンダ
- 日産自動車
- 欧米韓自動車各社の動向
- LIB業界のビジネス動向と今後
- 各国の電池産業の現状と課題
- 電池業界における競争力比較
- 経済安全保障としての国別電池産業戦略
- LIB部材の変遷・市場動向
- 各部材ごとの課題
- 日系部材の急激なシェア低下の現状と背景
- 中国部材メーカーの躍進が及ぼすサプライチェーンの変遷
- LIBの安全性評価と受託試験・認証事業
- 車載用電池の事故・リコールの歴史
- 国連規則と認証事業
- エスペックの受託ビジネス・認証ビジネス
- ECE R100 Part IIの試験項目と事例
- 充電インフラの各国状況と日本の対応
- 定置型蓄電池ビジネスの現状と今後
- 車載電池の再利用とリサイクル
- 再利用の事例と課題
- 再利用にあたっての取り組むべき事項
- EUリサイクル規制案
- 元素リサイクルの必要性と課題
- 次世代革新電池の研究開発状況と課題
- 期待される次世代電池
- 全固体電池の現状と課題
- 日本の各業界と政府における課題と対応策
- 自動車業界
- 電池業界
- 部材業界
- 投資に対する国の直接支援の必要性
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