本セミナーでは、用途によっても変わることがあるリチウムイオン電池搭載製品の表示ルールについて取り上げ、複雑難解なリチウムイオン電池の安全性規格・試験、用途別の表示ルールを解説いたします。
本セミナーの内容は、早稲田大学の所千晴教授の特別寄稿を頂いて、CMCリサーチから2021年6月に出版した「EV用リチウムイオン電池のリユース・リサイクル2021」の改訂版に相当する。“状況の変化への対応”とサブタイトルを付けたのは、この1年の、むしろこの半年間の、EV用リチウムイオン電池の激変を受けて、リサイクルの量と質が大きく変化したことを捉える必要があった。 EVの拡大は短期的に見れば、2035年の内燃機関車の発売停止に向かって、かなり順調に進んでいる状況である。その一方で中長期的には、電池の原材料のサプライ・チェーンの閉塞感が強まり、原材料の価格高騰は一過性の問題ではなくなった。 これまでの主流であった、ハイニッケル系のNMC (Ni、Mn、Co) 系の正極材から、安価な鉄リン酸リチウムLFP正極材へのシフトが、中国を中心に日本でも急速に拡大した。更には電圧の高いLiMn0.8Fe0.2PO4の実用化も進んでいる。 これまでのリサイクルは、有価元素であるニッケルとコバルト、がほぼ全てであった。LFPのLiFePO4においては、Liのリサイクルは必要としても、コスト負担を考えると、LFP電池は無害化して廃棄する方が合理的とも言えよう。 勿論、LFP正極材の電池の特性では、航続距離が概ね250Km (WLTC) が限度であり、400Km以上のEVはMNC811などのハイニッケル正極材が主流である。EUの電池規制も、NiとCoをパラメーターとし、リサイクルを求めている。 以上は直ぐに結論の出難い問題であるが、正極材の棲み分けは、リサイクルを再考する切っ掛けとなろう。更には、何れは実用化されるであろう、全固体リチウムイオン電池であるが、電解液系電池とは異なる正・負極材、リチウム負極と硫黄正極が究極の姿であろう。リサイクルのイメージも大きく変容するのではないか。 本セミナーではリユースは割愛した。EV用に限れば、リユースは電池のW/kg特製とWh/kg特性のアンバランスから発生した、言わば逃げ道である。安全性維持や法規制の観点からも、リユースの拡大は限定的であろう。 リサイクルの物理・化学的な内容は判り易く説明しますので、技術系以外の方も参加頂きたい。各自の担当業務に応じて、広く関係業界の相互理解に役立てて頂きたい。
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