IoT (Internet of Things) は、これからの社会に必須の技術であり、その市場規模は、2024年には11兆円を超えると予想されている (IDC Japan調べ) 。IoTでは、物どうしが無線で通信を行うため、その電源にも自立型の電源が必要となる。
新しい電源を導入する場合、適合させるために機器本体の回路等を設計しなおさなければならない。現状では、機器電源としてリチウムイオン二次電池が広く使われているため、新たな電源をリチウムイオン二次電池の充電器として利用すれば、改良等は必要とせずに既存機器をそのまま使用できる。
100Vのコンセントから充電する際には、交流を直流にするためと電圧を下げるために電源アダプターを使用するが、100Vから数~十数Vまで降圧するため電気エネルギーを熱として捨ててしまっている。一方、省エネルギー技術および二酸化炭素排出量抑制技術のひとつとして、身の回りに分散する未利用エネルギー源を利用して電力とするエナジーハーベスティング (環境発電) がある。未利用排熱としては、比較的低温の熱源が想定されるため、原料コストと製作コストが安い、有機材料が使用できる。
今回は、有機熱電素子で、身の回りの排熱を電気エネルギーに変換し、100Vコンセントを使わずに二次電池を充電する技術等について紹介する。
- 有機熱電素子
- 開発背景
- 熱電材料の基本
- 有機材料の特徴
- 有機熱電モジュール
- 有機熱電素子の基本
- モジュールの基本
- 有機熱電素子によるモジュール設計
- 有機熱電モジュールの応用
- 小型軽量電源としての利用
- 二次電池の充電器としての利用
- まとめ
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