現代の機械設計者に求められるのは、幾何公差を正しく有効に使ったGD&T (幾何学的な寸法と公差の設定) のスキルです。
最近では特に幾何公差を用いて曖昧さのない形体定義を行なう手法が広まりつつありますが、書籍や社内外セミナー等を通じて幾何公差の種類や記号の意味を修得した設計者から、以下のような悩みの声が多く聞かれます。
- いざ実際の図面に向かうとどの幾何公差をどこにどのように使えばいいのか戸惑う。
- 幾何公差の記号の意味が幅広く、正しく使えているかどうか自信がない。
- 幾何公差の公差値はどのように考えて設定すればいいのかよくわからない。
安定した品質の製品開発を行なうために必要なのは、幾何公差を用いて形体の正しい定義ができ、その上で適切な公差値を設定して、設計意図通りに機能する部品設計を行えるGD&Tのスキルです。
本講座では、設計意図を伝えるための幾何公差の作法と、適切な公差値設定のための公差計算の基本を理解していただき、最後にそれらを結びつけて正しい幾何公差図面を描けるようにする、実践的な技術とノウハウの修得を目指します。
- GD&T設計法の概要
- 設計プロセスにおけるV&V (検証と妥当性確認)
- 幾何公差を活用したGD&T設計法
- 形体定義の基礎知識
- サイズ公差と幾何公差
- 図面と加工
- サイズ公差と2点間測定
- あいまいさのない形体定義
- 基準としてのデータム
- データムの意味と指示方法
- データム形体と実用データム形体
- データムターゲット
- TED (理論的に正確な寸法)
- TEDの意味と指示方法
- TEDの基本的な使用例
- TEDのその他の用法
- 独立の原則と包絡の条件
- 独立の原則
- 包絡の条件
- 幾何公差の基礎
- 基本ルール
- 幾何公差の公差域
- 指示線の配置
- 形体分類と幾何公差の関係
- 幾何公差記号の意味と使い方
- 形状偏差
- 姿勢偏差
- 位置偏差
- 振れ偏差
- 輪郭度
- データムとの組合せ
- データム系と優先順位
- 共通データム
- 公差計算の基礎
- ばらつきの統計量
- 一様分布と正規分布
- 分散と標準偏差
- 正規分布と不適合品率
- ばらつきの定量化
- 単純加算と二乗和平方根
- 傾きを考慮した計算
- 幾何公差と公差計算
- 形体の幾何偏差と公差
- サイズ公差指示の解釈
- 幾何公差指示の解釈
- 公差計算の効率化
- 幾何公差指示と公差計算
- 幾何公差の読み替えテクニック
- 要因数と累積誤差
- 事例
- 設計意図を伝える図面
- 公差分析ツールの紹介
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