2017年に国内で利用が開始されたLPWAは、当初30近くが発表されたが、2022年末までに約半分に淘汰された。LPWAの年率の伸びは20%強で利用は着実に増加している。一方で、米国のアマゾンからLoRaWANを利用したSidewalkの発表があり、2022年2月にはこれまで首位の一角を占めていたSigfoxのフランス本社が経営破綻した。 現在、成長が著しいLPWAや新参LPWA、成長が鈍化したLPWAなど、LPWA間の格差も広がって、全体としては成長が続くものの今後の展開は不透明になっている。このような状況において、2024年にはLPWAの使用周波数として、現在の920MHz帯に加えて、デジタルMCAの跡地の845~860MHz と928~940MHzが利用可能になる。これによって、LPWAの性能が向上し、利用が増加すると予想される。さらに、講演者は、一般センサを用いたLPWAとカメラ (視覚センサ) を用いたローカル5Gを組合せたIoTアプリケーションの高度化を提案している。 本セミナーでは、LPWAの背景・経緯、位置づけ、新しい動きに加え、30を超えるアプリケーションの例、各方式の説明、独自仕様LPWAとセルラーLPWA (4GのLTE-MとNB-IoT、5GのmMTCにおけるIoT/LPWA) の比較、特に最新の動向に基づいた、各LPWAの棲み分け、ローカル5Gとの同時利用によるIoTアプリケーションの高度化等の今後の展望を述べる。各LPWAの説明では、全体で270以上に上る実証実験や実際のサービスの事例を示す。