ICH-GCPに新しく取り入れられた品質マネジメントシステム (QMS) の概念は、製品やサービスの品質マネジメントのグローバルスタンダード (国際標準) であるISO9001として、既に世界中に広く普及し、確立している考え方 (の一部) です。
各局の対応の状況を見てみると、ICHが2016/11/9にICH-E6 (R2) を発出後、EMAが2017/6/14、やや遅れてFDAが2018/2/28、順次改訂ICH-GCPの運用を開始しています。
これに対し日本では、EMAとのレギュレーションラグ2年以上の2019/7/5、省令GCPの本文には手を加えず、GCPガイダンスその他の通知を利用した形での運用を開始させています。そして、それに対する業界の反応を見ると、「品質マネジメント」でも「リスクベーストアプローチ」でもなく、「リスクマネジメント」と「イシューマネジメント (CAPA) 」を行うことが、さも新レギュレーション対応であるかのような動きがあります。
改訂ICH-GCPのメッセージは、「Efficiency=効率」です。そしてこの「効率」こそ、欧米と比較した場合の、日本の治験や医薬品開発の弱点であったはずです。したがって、われわれは、今般の改訂ICH-GCPを契機として、この「効率」改善に向けた取り組みを行わなければならないはずです。つまり、われわれがまず取り組むべきは、「リスクマネジメント」でも「イシューマネジメント (CAPA) 」でもなく、「リスクベーストアプローチ」を基本方針とした「品質マネジメント」なのです。
以上のような考え方を理解するには、ISO9001の知識が必須となります。そこで本講座に先立ち開催された医薬品開発QMSに関するセミナー (入門編セミナー及び基礎編セミナー) で、ISO9001の基本的な考え方、改訂ICH-GCPが要求するQMS、リスクベーストアプローチ、プロセスアプローチ、Built in Quality等の概念を解説しました。
その後、セミナーの受講生から、何をすべきか (What) は理解できたので、次にどのようにやるべきか (How) を教えて欲しいとのご相談を多くいただきました。通常、QMSのHowについては、一般論で解説することは不適切であり、各組織との1:1のコンサルテーションが必要になりますが、QMS運用の第1歩としてISO9001の理解をより深めるために、医薬品開発担当者向けのISO9001の解説書として、「医薬品開発を例にしたコンメンタール (逐条解説) 研究開発QMSマニュアル」 (以下コンメンタール) を刊行しました。さらに、今般、コンメンタールのポイントを解説することを目的として、本講座 (実践編セミナー) を開催する運びとなりました。
入門編セミナー、基礎編セミナー、コンメンタール、そして実践編セミナーにより、医薬品開発QMSやGCPリノベーション (刷新) の意義を本質的に理解し、日本の治験や医薬品開発の「効率」改善につながるための品質マネジメントへと導くことを目標とします。
- Terminology
- 「Quality」について
- 「Management」について
- 「System」について
- 医薬品開発QMSにおける計画 (P)
- 第一にやるべきこととは?
- あなたの会社の弱点はQ?C?D?
- QMSのスコープはR&D部門だけでは不十分!!
- プロセスの標準化の具体例
- QCQAとQMの関係を説明できますか?
- えっ?JDがないの?!
- あなたの仕事の顧客とは?
- 品質方針と経営方針のベクトル?!
- リスクベーストアプローチとリスクマネジメントを混同していませんか?!
- 変更からオプションへのパラダイムシフト?!
- リソースは必要かつ十分?!
- 組織の知識としてのSOPとは?
- やっぱり日本人は会議が下手!?
- あなたの会社ではムダな文書に振り回されていませんか?
- 医薬品開発QMSにおける運用 (D)
- あなたの仕事の顧客要求事項とは?
- リスクベーストアプローチの仕組みとは?
- Built in Qualityを実現するために
- CROオーバーサイトはベンダーマネジメントのごく一部?!
- 治験がバリデーション?!
- エラーの90%は?
- イシューマネジメント (CAPA) やRCAはヒューマンエラーマネジメント?!
- 引渡し後の活動としてのRMP
- 医薬品開発QMSにおけるパフォーマンス評価 ©
- KGIとは?KPIとは?
- 4つのパフォーマンスとは?
- 監査の主体は組織のトップ!?
- 「違反は現場で起きている!」
- これまでのGCP監査では不十分な訳とは?
- マネジメントレビューの2つの目的とは?
- 医薬品開発QMSにおける改善 (A)
- そもそも何を改善するの?
- RCAと是正処置のポイントとは?
- 継続的改善から持続的成功へ
- 持続的成功のための4つの条件とは?
- おわりに
- 医薬品開発QMSの成功例
- 医薬品開発QMSの失敗例
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,200円(税別) / 37,620円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
- 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
- 他の割引は併用できません。
- サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。
アカデミー割引
教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。
- 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
- 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
- お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
ライブ配信セミナーについて
- 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
- 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
印刷物は後日お手元に届くことになります。
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