DX時代の実験方法とデータ活用

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基本機能やそのロバストから始まり、SN比や制御因子はじめ聞きなれない用語に悩まされた1990年代は過去の話。今やタグチメソッド (以下TM) は、ロバストの高い製品開発に欠かせない手法であり、そのソフトウェアーも普及している。  また、実験で得られたデータについてデータサイエンスの手法で整理し次のアクションを示すソフトウェアーXまで利用されている。アカデミアではマテリアルインフォマティックスが研究され、データサイエンスはじめ機械学習や人工知能そのものを扱う研究成果が発表されている。  半世紀ほど前のIBM3033には統計パッケージとして多変量解析が提供されていた。今では多変量解析そのものは無料で提供される時代になった。Pythonを用いれば、高価なソフトウェアーXと同様の解析を無料提供されるモジュールを活用して結果を出せる時代である。すなわち、DXの進展でデータサイエンスに関わるソフトウェアーの低価格化が進んだだけでなく、技術者にとってその利用環境も充実してきた。ここで問題となるのは、技術者個人のスキルが、このDXの進展速度を超えて向上しているかどうか、という点である。  技術者個人のスキルを補う形で提供されているソフトウェアー群は、やはり高価である。とりあえず効率を上げるために高価なソフトウェアーの導入も有効かもしれない。しかし、価格の問題以外にその中身がブラックボックス化されているので、技術者がコンピューターに使われるような状況もDXにより生まれている。ただし、新技術を創造するのは、いつの時代でも技術者の責任である。TMの創始者故田口玄一博士も、「基本機能の選択は技術者の責任」と明確に技術者の立場を定義づけていた。創始者もTMが技術開発手法に過ぎないと認めていた。  そもそもTMも含めたデータサイエンスの手法による実験は、これまでの科学の方法による実験とは異なる。それも科学教育が中心となる既存の公教育では指導されていない方法である。ゆえにTMも導入が始まった時には大変難解な手法として技術者に受け入れられた。  本セミナーでは、製品開発において基本機能に技術者が責任を持つという視点で、TMについて事例を中心にした解説で知識の習得を促すと同時に、科学では仮説を中心に行われていた実験がDXの進展でデータ中心、すなわち機能の動作を中心とした実験方法に代わった経緯と代表的な手法を事例とともに示し、DX時代の実験方法とデータ活用について技術者が身につけておきたいボーダーラインより少し進んだ知識について事例を中心に解説する。

  1. 科学と技術
    1. 事例:iPS細胞の研究開発プロセス
    2. 事例:半導体無端ベルトの開発プロセス
    3. シャーロックフォームズと刑事コロンボ
    4. 科学の方法と技術の方法
  2. データ駆動による実験
    1. 事例:データ駆動による易射出成型性 PETボトル再生材開発
    2. 統計手法の復習
    3. 使う立場からの多変量解析解説
    4. 事例:データサイエンスによる電気粘性流体の耐久性改良
    5. 科学の方法ではない、と否定された理由
    6. このようなこともできます事例
  3. タグチメソッドによる再生材の難燃化
    1. 外装材の機能と求められる品質
    2. PC/ABSの基本機能とは
    3. 多変量解析による難燃化機構解説
    4. SN比と感度、TMにおける因子の考え方
    5. 実験計画の立て方
    6. データの見方と導出されたアクション
    7. 20分で使えるようになるTM手法解説
  4. DXで研究開発の効率向上が求められる技術者
    1. DXにより、実験方法に何が求められているのか。
    2. 無料のソフトウェアー環境でここまでできる。
    3. 難解だったTMがデータサイエンスで常識となった。
    4. 科学は一つの道具である。
  5. まとめ

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