リビングラジカル重合を用いた材料開発事例

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本セミナーでは、工業化が難しいとされるリビングラジカル重合を利用したポリマー設計事例を先進企業が解説いたします。

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プログラム

第1部 リビングラジカル重合の基礎と高分子合成への応用

(2023年1月30日 10:00〜11:45)

 リビングリビング重合は、高分子の分子量や末端基構造、モノマー配列 (ブロック共重合体) 、分岐構造 (星型ポリマー) などの一次構造を制御でき、かつ極性官能基をもつ機能性モノマーの直接重合が可能というラジカル重合の特性を併せ持つため、機能性高分子の合成に有効な手法です。今では、リビングラジカル重合を用いると、狙いの構造や特性をもつ高分子を自由に設計できる時代になりつつあります。  本講座では、リビングラジカル重合の基礎知識からこの重合法を用いた精密高分子合成、構造を制御した高分子材料設計、自己組織化高分子など最先端の研究例に加え、実際にリビングラジカル重合を使う上での注意点やノウハウなど、幅広くご説明いたします。リビングラジカル重合や精密高分子合成に関する本講演が機能材料開発の一助となれば幸いです。

  1. リビングラジカル重合の基礎
    1. 通常の連鎖重合や逐次重合とリビング重合の違い
    2. リビング重合による高分子合成と一次構造の制御
      1. ラジカル重合とイオン重合の特徴、重合活性種とモノマー種
      2. リビングアニオン重合の発見と精密高分子合成
    3. リビングラジカル重合
      1. フリーラジカル重合の基礎:開始剤と二分子停止反応
      2. ドーマント種の導入によるリビング重合の実現とその例
      3. ニトロキシドを用いた重合
      4. 原始移動ラジカル重合 (ATRP)
      5. 可逆的付加開裂連載移動 (RAFT) 重合
  2. リビングラジカル重合を用いた高分子合成:一次構造制御と物性機能
    1. 重合の仕込み方と必要なセットアップ
    2. 高分子の分子量制御と構造解析:
      • サイズ排除クロマトグラフィー、1H NMR、質量分析 (MALDI-TOF-MS) による分子量や末端基構造、末端基導入率の決定
    3. ランダム,交互,グラジエント,ブロック共重合体の合成と物性
      1. モノマー反応性比による組成分布や連鎖配列の違い
      2. エステル交換を利用したグラジエント共重合体の合成
      3. 連鎖配列が熱物性や相分離挙動に与える影響
    4. 末端・局所機能化ポリマーの合成と機能化
    5. 星型ポリマーの合成とナノ空間による機能
      1. 分岐ポリマー・星型ポリマーの合成方法、種類と特徴
      2. 星型ポリマーナノカプセルによる化合物の捕捉と徐放
    6. 環化ポリマーの合成とナノ空孔による分子認識
  3. 両親媒性ランダム共重合体の自己組織化:集合構造制御による材料設計
    1. ミセルの精密構築と制御、特徴
      1. ブロック共重合体ミセルとランダム共重合体ミセルの違い
      2. リビング重合を生かしたミセルのサイズや会合数の制御
    2. 自己修復性/選択的接着性ハイドロゲル
    3. Sub-10 nmミクロ相分離材料とナノ構造材料

第2部 RAFT重合による機能性高分子の精密合成と応用例

(2023年1月30日 12:50〜14:05)

  1. 精密ラジカル重合による機能性高分子の合成
    1. 精密重合の種類と特徴
    2. 精密ラジカル重合の基礎
    3. 精密ラジカル重合の特徴と課題
    4. 精密ラジカル重合の応用展開
  2. 可逆的付加開裂連鎖移動 (RAFT) 重合の基礎
    1. RAFT重合の機構
    2. RAFT重合の特徴と課題
    3. 連鎖移動剤の設計・合成
    4. モノマー・重合系の選択
  3. RAFT重合による特殊構造ポリマーの合成と応用展開
    1. ブロック・グラフト共重合体
    2. 多分岐ポリマー
    3. ハイブリッド材料
    4. 末端変換による機能化
  4. RAFT重合による機能性ポリマーの合成と応用展開
    1. 水溶性ポリマー・高分子電解質
    2. 刺激応答性ポリマー
    3. 電子・光機能性ポリマー
    4. アクリル系材料
    5. 実用化の動向

第3部 リビングラジカル重合を用いたブロックポリマー化によるフッ素系界面活性剤の高性能化

(2023年1月30日 14:15〜15:30)

  1. フッ素系界面活性剤による表面特性の発現機構
  2. リビングラジカル重合を用いたブロック化によるフッ素系界面活性剤の高性能化事例
    1. ブロック化による表面張力低下能、および、レベリング性の向上
    2. ブロック化による撥水撥油性の向上

第4部 プラスチックリサイクルにおける熱分解法の役割

(2023年1月30日 14:40〜16:40)

 リビングラジカル重合は分子量と構造の制御が可能であり、機能性ポリマーとして各社で開発が進んでいる。本講座では、当社が検討しているリビングラジカル重合を活用した開発事例と、その発展として濃厚ポリマーブラシの検討を行っているのでその研究開発について解説する。

  1. リビングラジカル重合概要
    1. リビングラジカル重合とは
    2. リビングラジカル重合の種類と特徴
    3. 市場活用例
  2. 有機触媒型リビングラジカル重合について
    1. 可逆的移動触媒重合 (RTCP) 法
    2. 可逆的触媒媒介重合 (RCMP) 法
    3. 重合機構と特徴
  3. 開発事例
    1. 顔料分散剤
    2. バインダー
  4. 濃厚ポリマーブラシについて
    1. 濃厚ポリマーブラシの概要
    2. 合成方法と物性
    3. 濃厚ポリマーブラシ効果
    4. 低摩擦性と応用
    5. サイズ排除特性と応用

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