第1部 リチウムイオン電池の寿命推定・SOH判定と電池制御への活用
(2023年1月24日 10:00〜11:30)
地球環境問題、資源問題解決に向けた自動車の電動化 (EV) 、再生可能エネルギーへの転換が、リチウムイオン電池 (LIB) 市場を牽引し、ここに大きなビジネスチャンスが生まれるだろう。2030年社会が要求するLIBにおいては、これまでのエネルギー密度、コストの観点とは別に、寿命に焦点を当てた開発方向性があり、ここには寿命解析技術がキーとなる。
本講ではLIBの寿命推定を核とし、広義SOH (State of Health) 、SOH判定に基づく電池寿命制御、リユースの基本的考え方につきお話します。
- 2030年社会に向けたリチウムイオン電池の開発方向性
- リチウムイオン電池への期待 (2つの開発方向性)
- リチウムイオン電池に対する社会の要求 (地球環境問題,資源問題)
- 顕在化する課題 (寿命、安全性)
- 新たなリチウムイオン電池の使われ方 (シェアリング)
- リチウムイオン電池の寿命推定
- リチウムイオン電池の2つの劣化メカニズム
- リチウムイオン電池の寿命推定 (推定式)
- 予測が難しい電池の二次劣化
- 二次劣化可能性確認試験
- リチウムイオン電池のSOH (State of Health)
- 電池の限界を知り、うまく使う
- 広義SOHとは
- SOH判定に基づく電池の制御 (二次劣化の抑止、リユース)
- 新たなSOH判定技術
第2部 リチウムイオン電池性能の劣化推定モデルの構築
(2023年1月24日 12:10〜13:40)
近年の社会における電動化へのシフトにおいて、キーデバイスであるリチウムイオンバッテリーには、容量や出力の大きさだけではなく、高い安全性や長い寿命が求められる。その中でも車載用バッテリーにおいて寿命は10年以上の性能見通しを判断する必要がある。 リチウムイオンバッテリーの電気的特性の劣化遷移の評価は、一般的に使用された累積の時間や電気量の平方根に対して線形に表現するルート則や、統計的アプローチを用いた機械学習が用いられることが多い。しかし、実際の劣化遷移形状はルート則では正確に表現できない場合がある。また、統計的アプローチにおいては、その特性上、精度の高いモデルを学習するためには大量の教師データが必要になる。
これらの問題を解決するため、車載用バッテリーの寿命評価を、より正確に、より教師データを少なく学習することを可能にしたモデル技術を構築した。本講演では構築した劣化推定モデル技術とそれに必要な解析手法を紹介する。リチウムイオンバッテリーの性能発現メカニズムをベースとした性能劣化モデリング技術の紹介をするため、バッテリー全体を通した理解につながると思います。また、第一原理計算などを用いておらず、扱う情報も難しくないため、化学が得意ではない方も理解し易い内容です。
- 車載用バッテリーの性能とその評価手法への要求
- リチウムイオンバッテリーの劣化モデルの分類とその特徴
- リチウムイオンバッテリーの電気的特性の劣化メカニズム
- 構築した劣化推定モデル技術の紹介
- 定格容量モデル
- 抵抗モデル
- SOC-OCVモデル
- 電気的特性の劣化因子の解析手法の紹介
- dV/dQ解析と充放電曲線解析
- IMP解析
第3部 バッテリシステムのモデルベース開発
(2023年1月24日 13:50〜15:20)
リチウムイオンバッテリの利用可能な充放電電流は、セルの温度、充電率、劣化状態によって変化する。また、温度と現在の劣化状態、電圧によってセルから発生する熱は逐次変化する。運用では、セルの状態を常時監視し、過温度、過電圧の際には充放電を制限、保護動作を行うバッテリシステムが必須である。本講演では、モデルベース開発を活用したバッテリシステム、温度のモデル化手法を紹介する。
- はじめに
- モデルベース開発とは
- 課題と目的
- バッテリシステムの制御とモデル
- 保護制御と回路
- セルバランシング
- 冷却と暖気
- 状態推定、寿命確保
- 電気等価回路と熱回路モデル
- バッテリの温度計算モデル
- 熱回路によるセルのモデル化
- モジュールへの拡張
- シミュレーションと試験の結果比較
- モジュールモデルの合成
- 合成モデルシミュレーションと試験の結果比較
- まとめ
第4部 バッテリパックの構成と設計、制御手法
(2023年1月24日 15:30〜17:00)
本講座では初心者の方でも理解しやすいようにリチウムイオンバッテリの特徴を説明しながら、バッテリやバッテリマネジメントシステム (BMS) 基板、電流センサなどで構成されるバッテリパックの設計手法や想定される不具合の対処方法などを設計経験者の立場で説明します。初心者の方でもバッテリパックの設計手法を習得することができ、貴社製品へのリチウムイオンバッテリの搭載をご検討されている方には大変お勧めです。
- バッテリパックの役割と設計手法
- バッテリパックの構成
- バッテリパックの機能
- バッテリパックの制御手法
- バッテリパックの搭載部品の選定方法
- バッテリパックの筐体設計
- バッテリパック設計の注意点とポイント
- バッテリパック設計の失敗例とそのポイント
- リチウムイオンバッテリの使用上の注意点
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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アカデミック割引
- 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)
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- 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
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- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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