分析化学における測定値の信頼性評価とその整理・提示法

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本セミナーでは、有効数字の処理技法を端緒として、測定結果に見合った数値を分析値として正しく整理・提出するために必要な考え方について解説いたします。

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プログラム

分析装置のめざましい進歩と普及に伴い、ppm (μg/g, μg/cm3) ~ppb (ng/g, ng/cm3) やそれ以下の極微量レベルであっても、測定を行うこと自体は高度な技術を要する作業ではなくなった。その一方で、装置が供給する多彩な数値を元に報告書として提出すべき分析値を意味づけることは以前より難しくなってきている。分析化学に限らず、実測のデータである“測定値”を整理して“報告値”にすることは紛れもなく測定後の数値処理手順の一つであるが、体系的な教育プログラムも十分ではなく実際にはあまり適切に行われていないため、数値評価が不明瞭になっているものと考えられる。  本講演では、有効数字の処理技法を端緒として、測定結果に見合った数値を分析値として正しく整理・提出するために必要な考え方について解説する。

  1. 「はかる」ということ
    1. 正しくはかることの意義
    2. 計測値の信頼性を保証するシステム
    3. 分析化学における信頼性の実像
  2. 有効数字
    1. 有効数字の意味するところ
    2. 数値の丸め方
    3. 無機分析における有効数字の具体例
    4. 演算に伴う有効数字の処理
  3. 検出限界と定量下限
    1. 検出限界、定量下限、感度の定義
    2. 検出限界の考え方
    3. 原子スペクトル分析における検出限界の見積りとデータ例
    4. 定量下限の考え方
    5. 検出限界や定量下限付近の分析値をどのように表記するか
    6. 二次元の信号情報 (画像) における検出の有効性
  4. 信頼性に関わる用語とその概念
    1. 信頼性に関わる概念の推移
    2. 化学計測における信頼性用語
    3. 物理計測・数理統計に関わる信頼性用語
    4. 電子工業における信頼性用語
    5. 分野間の齟齬をなくすために
    6. 濃度に関する用語
  5. 不確かさの概念と見積もりの考え方
    1. 不確かさの概念
    2. 不確かさの見積もりの基礎
    3. 典型的な無機分析における不確かさ見積もり例
  6. 信頼性を判定するための検定
    1. 信頼区間
    2. F検定について
    3. t検定について
    4. Q検定について
    5. 検定のガイドライン

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