機械構造物の破壊事故は、6~8割が何らかの疲労損傷によると言われる。比較的小さな荷重が繰返し負荷されることによって生じる疲労破壊は、前兆を捕らえることが難しく、壊滅的な破壊事故を起こす危険性がある。したがって、機器の安全設計だけでなく保守や点検なども含めた信頼性を確保する場合、疲労破壊機構の基礎や、基本的な疲労設計手法を理解しておく必要がある。また実際に破損事故が起こってしまった場合には、得られた破面から情報を探るフラクトグラフィが、破壊事故解析の重要なツールとなるため、その基礎を理解しておくことも重要である。
本セミナーでは、金属材料の基本的な疲労破壊メカニズム、および切欠きや平均応力と行った疲労寿命に影響を及ぼす因子を考慮した疲労設計手法について解説する。さらに、特に疲労破壊に関連した基礎的なフラクトグラフィ手法についても解説するとともに、疲労破壊を防ぐための一般的な対策例を紹介する。
- 金属材料の疲労の基礎
- 疲労破壊事故事例
- 金属疲労破壊のメカニズム
- 疲労強度の評価方法
- S-N曲線取得方法
- S-N曲線の理解
- 疲労強度への影響因子
- 平均応力
- 疲労限度線図
- 残留応力
- 切欠き
- 応力集中係数
- 切欠き係数
- 停留き裂
- フラクトグラフィの基礎
- 疲労破面の様相
- 巨視的様相
- 微視的様相
- 表面起点と内部起点型のき裂発生
- 最近のフラクトグラフィ手法
- 疲労問題に対する対策
- 材料の高強度化
- 材料選択
- 熱処理
- 金属組織制御
- 応力集中
- 応力集中の低減
- 表面仕上げ
- 表面処理
- ショットピーニング
- 浸炭
- 窒化
- 具体的事例
- 亀裂除去など
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