医薬品の品質は、1960年代にGMPが導入され、そして1970 – 80年代にValidationが導入されたことにより、方法論的には確立されたと言ってよい。しかし、その具体的な取り組みは、科学に基づくというよりも技術者の経験と勘に基づくところが多く、その結果として、製造承認を得た後での変更が米国では大きな問題となった。この問題の背景にあるのは、突き詰めると製剤研究・開発の取り組み方法上の問題ということになる。そして製造現場だけでなく、研究開発の近代化が指摘されるようになり、米国では、2002年「Pharmaceutical cGMPs For The 21st Century – A Risk – Based Approach」を発表するとともに、製剤研究開発に対してはICH Q8ガイドラインで示されているように「製剤設計の段階で品質の作り込む」 (Quality by Design:QbD) ことによる品質保証という今日の考え方が採用されることになった。その結果として、Validationに対する考え方も3Lotsの連続製造からライフサイクルを通したProcess Validationという考え方に変わることとなった。
本セミナーでは、こうした製剤開発やGMP・Validationの歴史を振り返るとともに、なぜQbDが必要となったのか、またQbDを実践するために必要となる技術やそのポイント、QbD実践の基本となる品質リスクマネジメントの考え方などについて、これまでのセミナーで参加者から受けた質問に答える形で紹介する。その上で、ライフサイクルを通したProcess Validationとは何か、またValidation実践上のポイント、そしていま企業に求められている品質システム・Quality Cultureについても、演者の経験を基に紹介する。
- GMPとは何か・なぜ必要になったのか
- GMPが制定されるに至った歴史的背景
- GMPの具体的な取組み・手順とは何か
- 1987年のValidationガイドラインとその問題点
- なぜValidationが必要になったのか – サンプリングによる品質保証の限界 -
- Validationとは何か、なぜその実践は大変なのか
- 1987年のValidationガイドラインの問題点
- 米国における医薬品開発上の問題 – 医薬品製造技術はポテトチップスを作る技術より劣っている? -
- Quality by Design (QbD) を考える!
- Quality by Design (QbD) と品質リスクマネジメント
- 品質リスクマネジメントのポイント – リスク評価だけが、品質リスクマネジメントではない! -
- Quality by Design (QbD) と従来の開発、どこが違うのか – 従来の方法とより進んだ方法 -
- QbD理解の鍵となる用語の理解 – QTPP、CMA、CQA、RTRTなど -
- 設計段階で品質を作り込むとは?
- Quality by Design (QbD) 実践に必要となる技術 – 実験計画法と分散分析 -
- Quality by Design (QbD) で、製造現場はどう変わるのか – Validation・逸脱対応・変更管理 -
- ライフサイクルを通したProcess Validation
- Process Validationの考え方は、QbD導入によりどう変わったのか – 1987年のガイドラインから2011年のガイダンスへ -
- 再Validationは、なぜガイダンスからなくなったのか
- Performance Qualification (PQ) とValidation – どこが違う? -
- Validationの鍵を握る5のポイント – QbDでどこまで検討するか -
- ライフサイクルを通したProcess Validationの取り組み
- Continued Process Verificationと製品品質照査?
- 開発段階に応じたValidationの考え方 – 治験薬GMPを例に -
- ICH Q12 ガイドラインと上市後の変更管理
- ICH Q12ガイドラインのポイント – 変更管理のグローバル化 -
- ICH Q12ガイドラインとCTD
- 製造方法の承認書への記載のポイントと変更管理
- 製造承認申請書との齟齬はなぜ起こるか
- 仏を作って魂を入れず! – 医薬品品質システム -
- 医薬品品質システムのポイント
- Quality Culture醸成のポイント
- 査察と品質システム
- まとめ
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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アカデミック割引
- 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)
日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。
- 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
- 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
- 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
- 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。
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