フロー合成のプロセス最適化と触媒活用・スケールアップ

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プログラム

第1部 フロー合成を始めるにあたって 操作条件設定とその最適化

(2023年1月13日 10:00〜11:30)

 フロー合成法は反応時間や温度の精密な制御に優れており、危険な試薬の取り扱いリスクの最小化、スケールアップの容易さといったメリットにより、実験室~生産スケールに至るまで広く用いられるようになっている。近年の実験自動化への関心の増加に伴って、バッチ合成からフロー合成への推移の傾向はますます加速している。一方でフロー合成への適用に向けてどのような装置を選定し、数多い実験条件をどのように最適化していくべきか戸惑う部分も多い。  本講座では元々取り組んでいたフラスコを用いた有機合成研究からフロー合成研究に取り組むようになった自身の経験をもとに、フロー合成導入初期の操作条件設定とその最適化について説明する。

第2部 フロー合成を効率化させる固定化触媒の開発と活用

(2023年1月13日 12:15〜13:45)

 フロー合成は新しい化学合成プロセスとして大きな注目を集めている。流路をリアクターとして用い、高効率な撹拌や伝熱を達成して、SDGsに適合したファインケミカルプロセスを達成できる。しかし、フロー合成では、ファインケミカルの合成の上で最も発達した技術である、触媒を用いた化学反応を用いることが難しい。そのため、固定化触媒が利用されるが、流通経路においては、基質の物質移動、流通圧力の上昇、狭窄といった問題があり、これらを防いだ固定化触媒が必要になる。  本講座では、フロー反応における固定化触媒に特に焦点をあてて、固体触媒設計とその問題点、実例について取り上げる。

  1. 固定化触媒について
    • バッチ反応における固定化触媒
    • フロー反応に求められる固定化触媒
  2. フロー合成における触媒の固定化方式について
    • 粒子充填型
    • 壁被覆型
    • 多孔質担体型
  3. 充填層の解析方法
    • 透過度
    • 孔径分析
  4. 固定化触媒を用いた反応の実例
    • ナノ粒子
    • 有機金属触媒、有機分子触媒
    • 光触媒など

第3部 ラボ実験からのスケールアップの進め方・条件最適化の事例

(2023年1月13日 14:00〜15:30)

 フローマイクロリアクタは、混合、温度制御、精密な滞留時間制御に優れたデバイスであり、従来のバッチ式反応器では困難だった反応や制御も実現することができる。ラボスケールでは、多種多様な有機合成反応について多くの報告がある一方で、実用化へ向けたスケールアップについては、情報が少ない。  本発表では、フローマイクロリアクタの基礎知識をはじめ、フローマイクロリアクタを利用したイオン液体の合成と有機リチウムを用いたアニオン重合反応のスケールアップの実例を交え、装置の選定や検討時に注意すべきこと、さらによく起こるトラブルや、その解決策についても紹介したい。

  1. フローマイクロリアクターとは
    1. フローマイクロリアクターの基礎知識
    2. マイクロ空間での混合、熱交換、物質移動
  2. フロー合成の開発事例
    1. 産業界での取り組み
    2. 当社の連続製造へ向けた取り組み
  3. ラボからパイロット・製造への展開
    1. フロー合成で起こりやすい不具合
    2. 制御パラメータの多さ
    3. 送液不良
    4. 混合不良
    5. 除熱不良
    6. ミキサ、リアクタの閉塞
    7. まとめ
  4. フロー合成プロセスの構築とトラブル対策
    1. フロー合成で起こりやすい不具合と対策
    2. フローリアクターでの製造に向けた留意事項
    3. ポンプの選定
    4. ミキサ、リアクタの選定
    5. センサ、計装類の選定
    6. 運転システムの概要
    7. 数値流体力学 (CFD) によるシミュレーション
  5. スケールアップ事例紹介
    1. イオン液体合成プロセス
      1. 反応速度解析
      2. ミキサやリアクタの選択
      3. スケールアップ検討
    2. リビングアニオン重合プロセス
      1. よく起こるトラブル
      2. ポンプの選択
      3. 運転手順の重要性
      4. 連続運転検討
  6. スケールアップ時に考えること
    1. パラメータの管理幅について
    2. CFDシミュレーションの簡易化
  7. 今後の展望および装置や設備のサプライヤー紹介

第4部 フロー合成における自動化・ロボット化技術とその活用法

(2023年1月13日 15:45〜17:15)

 フロー合成技術の特徴として、自動化が容易である点が挙げられる。化合物ライブラリー合成の自動化、反応条件検索の自動化などフロー合成技術と親和性の高い自動化されている技術をセミナーで紹介する。また、化合物の合成を中心に、創薬全体を自動化していく上で必要な技術要素、例えば、チェリーピッキング、分析、精製、プレート化などを繋いでいくには、ロボットの活用が必要になる。それらを含めた創薬研究の自動化に関して紹介する。最後に、今後の展望として、創薬から製造への一気通貫の研究開発のかなめとして、最近注目されているオンデマンド合成に関して言及する。

  1. フロー・マイクロ合成技術の概要
  2. 化合物の自動合成
  3. 創薬研究の自動化へのチェレンジ
  4. 合成ルート・反応条件の自動検索へのチェレンジ
  5. オンデマンド合成へのチャレンジ
  6. 創薬研究から原薬製法研究へシームレスな進め方

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