人工光合成による高効率変換技術とCO2を活用した化学品製造

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第1部 ルテニウム錯体触媒による光化学的CO2還元反応:人工光合成への展開

(2023年1月18日 10:30〜12:100)

 人工光合成は、近年の大気中CO2濃度増大がもたらす環境問題や、石油資源枯渇などのエネルギー問題に関連して注目され、活発に研究されています。現在は主に、半導体光触媒を用いた光エネルギー変換に関する研究が中心ですが、金属錯体など分子触媒とよばれる機能性分子を用いた研究も活発に行われています。これらは分子レベルでその機能を制御可能であり、それ自身の応用展開も期待されますが、そこから得られる反応機構や分子レベルでの情報を半導体光触媒へと応用できる点も期待されています。本講座では、ルテニウム錯体を例に分子触媒による光化学的CO2還元触媒反応と、その人工光合成への展開について紹介します。  人工光合成とはどういうものか、 (天然) 光合成との違いはどこかなど、なぜ今、人工光合成が求められているのかを解説します。さらに、光触媒反応にはどのような機能性分子が必要か、光触媒反応を実際にどのように行うか、光反応量子収率をどのように求めればよいかなど、光化学の基礎、とくに光レドックス触媒反応の基礎的なところから解説します。

  1. 人工光合成の研究背景
    1. 人工光合成とはなにか
    2. 分子触媒からのアプローチ
  2. 分子触媒による光化学的CO2還元反応
    1. 分子触媒とはなにか
    2. 光レドックス触媒反応の基礎
    3. 光触媒反応の実際
    4. 光反応量子収率の評価
    5. ルテニウム錯体触媒における触媒反応機構
  3. 人工光合成への展開

第2部 セラミック膜による水素分離の現状と可能性

(2023年1月18日 13:00〜14:30)

 水素エネルギーは、2次エネルギーであるため、製造、貯蔵、輸送時に、分離操作が必要となることが多い。ここでは、効率的な分離法の一つである膜分離法について解説する。近年注目されているセラミック系水素分離膜の現状と将来の可能性について述べる。

  1. 膜分離法について
    1. 分離膜の種類
    2. 多孔膜の透過機構・膜性能評価
    3. セラミック膜のアプリケーション
  2. アモルファスシリカ膜
    1. 対向拡散化学蒸着法
      1. 再現性・安定性
      2. モジュール化
      3. 細孔径制御
  3. ゼオライト膜
    1. 高速水素透過ゼオライト膜
    2. 多孔質基材の影響
      1. 凹凸の影響
      2. 化学組成の影響
  4. 膜反応器への応用
    1. 膜反応器の概要
    2. 抽出型膜反応器の例
      1. 水蒸気改質による水素製造
      2. 有機ハイドライド分解用
      3. 水素抽出プロピレン製造
  5. まとめ

第3部 CO2水素化反応によるメタノール合成触媒反応と化学品への応用展開

(2023年1月18日 14:45〜16:15)

 日本政府が掲げた「2050年に温室効果ガス排出実質ゼロ (ゼロエミッション) 」の目標を達成するため、革新的な技術の開拓が求められている。講演者は、再生可能エネルギーを活用することでCO2をメタノールにアップグレードする固体触媒の開発を行っている。本触媒開発の目的は、現在化石資源で賄ってきた燃料・化成品をCO2起源物質に置き換え、持続可能な社会を実現することにある。メタノールが様々な化学物質合成の起点 (たとえば低級オレフィンや芳香族) として有望であることを踏まえると、本触媒開発はCO2からC2以上の有用化合物 (燃料を含む) を合成する試みの足掛かりとして重要である。  本講演では、CO2を効率よく変換する固体触媒に必須な要素・技術について、実例を示しながら解説する。

  1. CO2水素化反応によるメタノール合成の意義と課題
  2. 固体触媒
  3. 講演者が行ってきたメタノール合成触媒開発の実際
    1. CO2水素化触媒が解決しなければならない課題
    2. 反応機構に立脚したメタノール合成触媒の開発
  4. 次世代型CO2水素化触媒とは:低圧条件でできること
    1. 高温型メタノール合成触媒
    2. 二機能性触媒による低級オレフィンワンパス合成

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