実験計画法は「実験の計画」と実験により得られたデータの「解析方法」の二つから構成される。実験の計画とは「目的に応じてどのような実験を行えばよいか?」あるいは「どうすればデータを効率的に集めることができるか?」と言える。原薬のスケールアップ製造は開発過程では絶対に避けられない部分であり、開発初期では合成プロセス、出発原料の変更のような大幅な変更も可能であるが、MF等で原薬の製造法を登録した後の変更は困難となり、変更する場合はGMPをよく理解して進める必要がある。
本セミナーでは実際に経験した事例 (失敗例) を参考に各開発段階で行う実験の注意点、実際のスケールアップ製造で遭遇した問題点 (変更、逸脱) をどのように対処、解決したかを説明し、更にそこから得られた知見をもとに効率的な実験計画の立て方、必要なデータの集め方を応用事例含めて説明する。
- 医薬品 (原薬) の開発とスケールアップ (基本的な考え方)
- 実験室スケールとスケールアップの相違点
- 小スケールとスケールアップのパラメータの比較と考え方、設定法
- 合成法、合成ルートの設定、考え方、注意点
- スケールアップ実験するためのチェックポイント、考え方と原料、中間体の評価項目とその対応策
- 実験計画法による効率的なデータ収集
- スケールアップを前提とした実験計画の考え方
- スケールアップ前提の実験計画の考え方、データの取得法、活用法 (事例を参考に)
- スケールアップでの問題点 (実際の経験から) と
対応策とその活用事例
- 開発初期 (実験室〜10Lスケール) の事例
- パイロット試作 (200〜500Lスケール) の事例
- パイロットから商用生産 (2000Lスケール以上) の事例
- 商用生産開始後の事例
こんな悩み、解決します
- 開発初期 (実験室〜10Lスケール) に…
- 転位反応:1gから10gにスケールアップしたら目的物が得られなくなった。
- 1gスケールでは目的物が合成できたが、10gスケールでは合成不可の結果となった。
- 前臨床試験に進むことが決まり、カラム分離工程回避の必要性が出てきた
- 溶媒を変更したら反応が進まなくなった。
- 青酸ガスを使用しなければならない。
- パイロット試作 (200〜500Lスケール) 時に…
- 設備の性能を安易に考えて刺激性のミストが噴出した。
- 設備の性能を安易に考えてオーバー反応してしまった。
- スケールアップして中間体を大量合成したら分解してしまった。
- 再結晶プロセスをスケールアップしたら目的物が得られなくなった。
- パイロットにスケールアップしたところ、反応開始を確認できず、大きなトラブルに陥りそうになった
- アセトン/炭酸カリウム系でのアルキル化反応。
- 外部委託したら結晶形で、同等性の問題が発生。
- パイロットから商用生産 (2000Lスケール以上) 時に…
- 2工程先の抽出・分液工程で問題 (エマルジョン) 発生。
- P爆発性の中間体を経由するためスケールアップ製造できずPhaseIII試験が
終わってしまった。
- 目標規格の原料が手に入らない
- パイロットまでGL、商用生産でSUSに切り替えたところ錆が発生した。
- アミノチアゾール酢酸製造のスケールアップ:パイロットまでは
- 問題なかったが、商用生産で乾燥機の選択を誤った。 (安定型と準安定型)
- キャンペーン生産に切り替えたところエステル交換反応が進まなくなった。
- 溶媒回収しないと採算が合わなくなった。
- 商用生産に移行しようとしたら残留溶媒の問題が発生した。
- 出発原料の製法に伴製法に伴う異性体混入の可能性がある
- 商用生産開始後に…
- 収量低下のGMP逸脱
- 高純度の原料に切り替えた途端にGMP逸脱
- 突然、製品の乾燥時間が2倍 (10時間→20時間) になった。
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
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