触媒の各種評価・解析技術、 反応性予測、キャタリストインフォマティクスとその応用

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
オンライン 開催

本セミナーでは、触媒反応のメカニズムなどの基礎的知識から、触媒素材の物性、触媒反応の温度と活性点、触媒表面のキャラクタリゼーション、劣化した触媒の分析試験などの実務応用へのポイントまでを解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 触媒の基礎知識、劣化と対策、触媒製造について

(2022年12月8日 9:40〜11:10)

 触媒は化学品の製造に極めて大きな役割を果たしており、そのラボでの開発からベンチ・パイロットを経て企業化に至るスケールアップに必要な一般的な触媒の種類や特徴およびそれを用いた反応、劣化解析と対策・触媒の調製法と実用触媒の製造方法についての基礎知識を提供する。

  1. 工業触媒の基礎
    1. 触媒 (プロセス) 開発の流れ
    2. 触媒の種類と特徴
    3. 触媒の活性成分・ミクロ/マクロ構造と機能
    4. 触媒活性試験とその解析手法
      1. 回分反応 (閉鎖循環系)
      2. 固定床流通系
        • 酸化反応:反応次数・MVK機構
        • 酸塩基触媒:LH機構)
    5. 触媒評価方法
      1. 細孔構造
      2. 酸塩基性、酸化還元特性
      3. 活性点環境
    6. 触媒有効係数
  2. 触媒の劣化とその対策
  3. 工業触媒の製造
    1. 触媒調製法
    2. 触媒成形法

第2部 透過電子顕微鏡による触媒の表面構造観察

(2022年12月8日 11:20〜12:30)

 透過電子顕微鏡 (TEM) を用いるとナノ領域の情報を得ることができるため、TEMは固体触媒の局所構造を理解する上で強力な分析手法である。基礎的な原理や実践的な観察・分析手法を解説し、最新の研究について紹介する。

  1. 透過電子顕微鏡 (TEM) の概要
    1. 装置構成と原理
    2. TEM観察における注意点
  2. 触媒の表面構造観察
    1. 試料作製
    2. TEM観察と電子線回折
    3. STEM観察
  3. 元素分析と電子状態解析
    1. EDX分析
    2. EELS分析
  4. 最先端の研究例
    1. 原子分解能観察
    2. ガス中その場観察

第3部 電子顕微鏡による触媒の構造観察とその応用

(2022年12月8日 13:10〜14:00)

  1. はじめに
  2. 電子顕微鏡による触媒の構造観察について
    1. 使用する機材、実験環境
    2. 観察の進め方
  3. 観察事例とその応用
    • 3D-TEM解析
    • 燃料電池触媒の触媒インクのクライオ電顕観察 他
  4. まとめ

第4部 ガス吸着法による固体触媒評価の基礎

- 昇温脱離スペクトル測定 (TPD) 、破過曲線評価 等 -

(2022年12月8日 14:10〜15:00)

 固体触媒の研究においてキャラクタリゼーションは欠かすことができない重要な位置を占めています。本講義では測定例をもとに、固体触媒の酸点や分布の評価に有用なNH3-TPD測定法、金属担持触媒のキャラクタリゼーションとして広く認知されているパルス測定法、固体触媒の寿命を評価可能な吸着破過曲線測定について解説致します。

  1. 測定概要
    1. ガス吸着法による化学吸着 流通法
    2. ガス吸着法による触媒評価とは
      • 弊社装置紹介
        • 触媒分析装置BELCAT II
        • オンラインガス分析計 BELMASS II
  2. 昇温脱離スペクトル測定 (TPD)
    1. 【測定例】 MFIゼオライトのNH3 – TPD測定
    2. NH3 – TPD測定におけるW/Fの影響
    3. 水蒸気処理によるピーク分離
  3. パルス法測定
    1. パルス吸着測定原理
    2. 【測定例】カーボン担体Pt触媒の評価
    3. パルス測定法によるBET1点解析による比表面積評価
  4. 吸着破過曲線測定
    1. 吸着破過曲線測定概要
    2. 【測定例】CO2単成 成分破過曲線測定
    3. 【測定例】CO2、H2O 2成分評価

第5部 実験データに基づく触媒反応パラメーターの推定:活性、選択性への応用

(2022年12月8日 15:10〜16:10)

 触媒反応を追跡・評価する上で、これまでは分光測定や量子化学計算が活用されてきた。本講座では第3の方法として、機械学習を用いた反応速度式のパラメーター推定を提案し、その活用事例について解説する。

  1. 導入
    1. 触媒反応の重要性
    2. 触媒開発に向けた理論の位置づけ
    3. 現状の課題と問題点
  2. 具体例1:白金上の水素発生反応 (活性)
    1. 実験評価
    2. 速度論モデルの構築
    3. 解析アルゴリズムの開発
    4. パラメーター推定
    5. 反応機構の考察
  3. 具体例2:硫化モリブデン上の亜硝酸還元反応 (選択性)
    1. 実験評価
    2. 速度論モデルの構築
    3. 解析アルゴリズムの開発
    4. パラメーター推定
    5. 反応機構の考察
  4. 展望
    1. 安定性の予測への展開
    2. まとめ

第6部 キャタリストインフォマティクスと触媒反応予測への応用について

(2022年12月8日 16:20〜17:20)

 近年、触媒の設計や開発を効率化するキャタリストインフォマティクスが注目されている。本セミナーでは、キャタリストインフォマティクスの概要や均一系および不均一系触媒の活性予測への活用事例について解説する。

  1. キャタリストインフォマティクスの概要
    1. 触媒開発の現状とキャタリストインフォマティクス
    2. 機械学習の基礎
    3. 記述子について
  2. 触媒反応予測での活用事例
    1. 不均一系触媒反応での活用事例
    2. 均一系触媒反応での活用事例
  3. 今後のキャタリストインフォマティクスについて
    1. 自動合成・ハイスループット装置の活用
    2. 触媒開発の今後について
    3. まとめ

受講料

複数名同時受講割引について

アカデミック割引

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

ライブ配信セミナーについて