マテリアルズ・インフォマティクスの基礎と応用

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マテリアルズ・インフォマティクス研究の要素技術としての機械学習や記述子といった基本事項から、ベイズ推定や進化論的計算といった発展的事項まで解説いたします。
特に、第一原理MI研究を中心に最近の研究事例を紹介いたします。

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プログラム

近年、材料開発の短縮と低コスト化の可能性から、材料科学とデータ科学の融合研究「マテリアルズ・インフォマティクス (MI) /データ駆動型材料研究」が世界的に進展している。データ駆動型材料探索では、ニーズから未知材料を探索する逆問題的手法がいくつか提案・実装されている。  実際に、MIで提案された新規化合物が実際に合成され、MI有効性を示す研究事例も報告されている。現状では、MI研究は、技術的には基礎研究の段階を経て、実践段階に至っている。  本セミナーでは、MI研究の要素技術としての機械学習や記述子といった基本事項から、ベイズ推定や進化論的計算といった発展的事項まで解説する。MI研究は、データ生成の観点から、シミュレーションによる物性データ生成と相性がよく、その融合展開である第一原理MI研究が進展している。  本セミナーでは、特に、第一原理MI研究を中心に最近の研究事例を紹介していく。

  1. マテリアルズ・インフォマティクス (MI) 概観
    1. インフォマティクス/AI分野の発展
    2. マテリアルズ・インフォマティクスとは何か?
      1. 研究分野の動向/研究拠点
      2. インフォマティクスの成功事例/触媒探索/マテリアル・レポジショニング
      3. コンピュータによる物質探索/ベイズ統計
      4. MI研究分野の研究事例/ハイスループットヴァーチャルスクリーニング
      5. MI研究分野の研究事例/ベイズ探索
      6. インフォマティクスだけで十分か?/データの問題:量と質
    3. データ生成エンジンとしてのシミュレーション
      1. スパコン:シミュレーション研究のための必須アイテム
      2. 物質科学シミュレーションの階層性/連続体系・分子系・電子系
      3. 第一原理計算とは何か?
      4. 第一原理計算研究の研究事例/電子物性、フォノン (熱) 物性
  2. MI研究の基礎
    1. 科学とインフォマティクス
    2. MI研究における究極の目標:コンピュータによる物質探索
      1. 問題設定:化合物空間/未知化合物の数
      2. シミュレーションだけで新規物質を探索できるか?
      3. 順問題と逆問題
    3. MI研究の道具立て
      1. 機械学習/物性予測モデル
      2. 機械学習における内挿性と外挿性
      3. 物性予測モデルとしての機械学習とシミュレーション
      4. MIにおける機械学習
      5. 物性構造相関/物性予測モデル
    4. 物質記述子
      1. 化学情報/組成情報/フィンガープリント
      2. 計算科学記述子
    5. 教師あり学習
      1. 回帰モデル
      2. 学習モデルの性能
    6. 回帰学習の応用としてのハイスループットヴァーチャルスクリーニング
    7. 転移学習:少数データの高性能機械学習
    8. MI研究における機械学習の適用事例/教師なし学習
    9. 逆問題としての物質探索
      1. MI研究におけるベイズ統計
      2. ベイズ最適化:コンピュータ上での実験計画法
      3. ベイズ構造探索:尤度関数と事前確率、ベイズ反転、事後確率
      4. ベイズ構造探索の実装:
        • 物質表現/SMILES形式、自然言語処理に基づく化合物生成
      5. ベイズ構造探索の実例:ポリマー探索
    10. マテリアルズ・インフォマティクスを始めるために
      • Pythonプログラミング環境
      • ライブラリ
  3. 第一原理計算の基礎
    1. 第一原理計算を始める前に/注意事項:第一原理計算は難しい?
    2. シミュレーションにおける第一原理計算の位置づけ/階層性
      1. 第一原理計算の各種方法論
        • 密度汎関数法
        • 分子軌道法
        • 量子モンテカルロ法
      2. 階層的計算科学の関連性/第一原理計算はどのように使われるか?
      3. 第一原理計算の問題構造
        • 何を入力情報として、どんな結果が得られるか?
    3. 基礎方程式の解き方/数理
      1. 変分原理と近似方策;固有値問題:波動関数とエネルギー固有値
      2. 近似法:多体問題から一体問題へ/基礎方程式は厳密に解けない
    4. 量子化学計算
      1. 分子軌道 (Hatree – Fock; HF) 法の実際/基底関数展開
      2. 電子状態計算の出力/軌道関数・軌道エネルギー
      3. 電子状態の規定/分子軌道の占有方法/フントの規則
      4. HF法の限界/電子相関
      5. HF法の改良方策/多体波動関数近似の改良
    5. 密度汎関数法 (DFT法) とは?
      1. DFT法の要点/面倒な定理は一旦忘れて、本質は何か?
      2. 交換相関汎関数とは何か? /そのバリエーションと階層性 (ヤコブの梯子)
      3. 交換相関汎関数の違いによる理論予測の齟齬
      4. DFT法の問題点:磁性、分子間力、励起状態の問題
    6. 量子モンテカルロ (QMC) 法とは?/QMC法の種類:VMC法とDMC法
      1. DMC法のアイディア/どうして高精度計算が実現されるか?
      2. DMC計算の実際/コンピュータ上での実装
      3. DMC計算例/厳密な数値解
      4. 大規模スパコン上での並列計算効率
    7. 第一原理計算手法のまとめ
      1. 計算スペックのまとめ
      2. 第一原理計算を始めるために
        • 注意点、利用可能なソフトウェアと計算環境
    8. 計算科学とMIの融合展開
      1. 計算材料科学
      2. XRDパターン認識/クラスタリングの適用
      3. 元素置換による物性チューニング/組み合わせ論的構造生成法
      4. 進化論的構造探索/原理と適用例
  4. 総括

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