凍結乾燥 2日コース 基礎理解から実製造でのポイント

【Aコース】 凍結乾燥プロセス理解に必須な基礎知識と乾燥速度決定メカニズム/品質変化進行メカニズムの理解、品質劣化対策

　本講座では、医薬や食品製造に広く用いられている凍結乾燥プロセスの理解に必須な基礎知識を解説します。凍結、相平衡、結晶化、ガラス化など、固体の物理化学と関わる理解を確実にし、凍結乾燥過程における乾燥速度がどのように決定しているかといった基礎原理の理解を深めてもらいます。また、凍結乾燥プロセスのなかでどのように製品品質が変化するか、およびその対策についても解説します。

1. 凍結乾燥と関わる固体の物理化学
   1. 固体の溶解度
   2. 結晶と非晶質
   3. ガラス転移,結晶多形
   4. 乾燥製品の物性 (濡れ性,溶解性,吸湿)
2. 凍結乾燥プロセス
   1. 凍結乾燥とは
   2. 工程フロー
   3. 装置概要
   4. 凍結乾燥装置内での水の動き
3. 凍結乾燥過程で起こる現象
   1. 凍結過程で起こる現象
   2. 乾燥過程で起こる現象
   3. 凍結乾燥過程の温度チャート
   4. 凍結乾燥におけるコラプスの発生
4. 凍結現象の詳細
   1. 過冷却現象と過冷却解除
   2. 固液相平衡図の理解
   3. 氷晶のパターン形成
   4. アニーリング操作について
   5. 氷晶サイズの推算・分布
5. 熱・物質移動と乾燥の基礎理論
   1. 伝熱方程式・拡散方程式
   2. 定常状態とは
   3. 境膜内伝熱係数と物質移動係数
   4. 放射伝熱
   5. 湿球温度と乾燥速度
6. 凍結乾燥のモデル化 (数学的扱い方)
   1. 凍結乾燥の基礎理論
   2. 凍結乾燥の数学的取り扱い
   3. 棚板式バイアル凍結乾燥モデル
   4. モデルを用いたシミュレーションの方法
   5. シミュレーションの実施例
7. 凍結乾燥の実施と品質の安定化
   1. 製品品質の変化と関わる現象
   2. 品質安定化の考え方
   3. 品質劣化要因 (凍結過程)
   4. 品質劣化要因 (乾燥過程)
   5. 保護物質の役割と選定
   6. 復水性・再水和特性の保持
   7. 吸湿のメカニズムと湿度管理
• 質疑応答

【Bコース】 凍結乾燥の条件設定、設備、バリデーション、スケールアップおよび失敗事例と対策

　医薬品凍結乾燥プログラムの条件設定の基礎知識、設備導入の要点、バリデーションのポイント、スケールアップ及びサイトチェンジ技術、乾燥失敗事例とその対策方法について説明する。

1. 医薬品凍結乾燥プログラムの条件設定の基礎知識
   1. 凍結乾燥工程と乾燥プログラムの設定項目
   2. 乾燥プログラムの設定条件
   3. 真空制御の重要性
2. 設備導入の要点
   1. 医薬用凍結乾燥機システムの概要
   2. URS作成のポイント
   3. リスクマネジメントに基づいたメンテナンス
3. 凍結乾燥とバリデーション
   1. バリデーション概要
   2. 凍結乾燥過程に於ける制御要素とバリデーション
   3. 凍結乾燥過程工程に於ける変動要因と製品品質
   4. 凍結乾燥製品の無菌性保証、コンタミネーション防止
4. スケールアップ及びサイトチェンジ技術
   1. スケールアップを妨げる要因
   2. 入熱と昇華速度に関する解析
   3. 生産機へのスケールアップ実験
   4. 生産機へのスケールアップ、サイトチェンジの方法
   5. スケールアップ時の留意点
5. 凍結乾燥の実際
   1. 乾燥失敗事例とその対策
   2. 特殊な製剤の凍結乾燥
      • 有機溶媒含有物
      • 縣濁系製剤
      • バイオ医薬 (高分子化合物)
      • リポソームなど
• 質疑応答