医薬品製造・PQSにおける統計的品質リスクマネジメントの実践

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日本のGMPは1960年薬事法とし正式に誕生し60年以上が経過した。その後のGMPの進歩は著しく、その後ICH Qトリオ (Q 8,9,10) 、Q 11、及びQ 12などの新たな動向を受け、医薬品品質システム (PQS) やPIC/Sを取り込んだ改定GMP省令が2021年8月1日に施行された。  この目的は法令遵守に向けた品質問題の課題解決と堅牢な医薬品品質システム (PQS) の構築にある。PQSの導入は、GMPの国際整合性及び品質保証体制をより充実させることで有効性、安全性、そして高品質な医薬品の患者様への供給を目的とする。そしてPQSの最も重要な骨組みとなる品質リスクマネジメントについて、統計的手法としての管理図、シューハート管理図、パレード図、工程能力分析、ヒストグラム、散布図 (x/y ダイアグラム) 及び夫々の組み合わせなど、統計的品質リスクマネジメントの活用事例を中心に紹介する。  また、2021年8月の改正GMP省令第二十条では、データインテグリティ (DI) が重点遵守項目として新設された。ライフサイクルをとおしたDIの管理を実効的に保証し、堅牢なPQS体制を構築する際の基本となるGMP・GQP文書及び記録の作成、そして法令遵守を確実にするための包括的なPQSの構築についても考察する。

  1. 薬事法改正、GMP省令改正パブコメの概要
  2. 実効的な品質システム (PQS) の構築
    1. 品質リスクマネジメントレビューの進め方
    2. 上級経営陣の責務
    3. 継続的改善
    4. 知識管理
    5. リスクに基づくPQS変更管理マネジメントシステム (PIC/S勧告案)
  3. 品質リスクマネジメントと統計手法の活用
    1. 品質リスクマネジメントとは
      • QRM
      • ICH Q9
    2. リスクマネジメントの方法と手法
      • プロセスマッピング
      • 特性要因図 (石川ダイアグラム/魚の骨図)
      • 欠陥モード影響解析、故障の木解析 (FTA)
    3. ハザード分析と重要管理点
      • HACCP、HAZOP、予備危険源分析 (PHA)
      • リスクランキングとフィルタリング (RRF)
    4. 支援統計的手法
      • 管理図
      • シューハート管理図
      • 算術平均及び警告限界を有する管理図
      • 受容管理図
      • 実験計画法 (DOE)
      • パレート図
      • 工程能力分析 Process Capability Analysis
      • ヒストグラム
      • 散布図 (x/y ダイアグラム) 、その他
    5. 手法の組合せ
      • 確率論的リスクアセスメント (PRA)
      • 「チューリッヒ・ハザード分析」品質リスクの管理に対する体系的なアプローチ
    6. 実施例
      • 統合された品質マネジメント、文書化、訓練及び教育
      • 品質欠陥
      • 監査/査察
      • 定期的なレビュー
      • 変更マネジメント/変更管理
      • 継続的改善
      • 施設、設備、ユーティリティ
      • 原材料管理
      • 生産 Production
      • 試験検査室管理及び安定性試験
      • 包装及び表示
    7. 品質リスクマネジメント計画/報告様式
  4. PQSの基本となるGMP文書・記録作成について
  5. PQSとデータインテグリティ対応
  6. ICH Q10 と品質マニュアル及びGMP/GQPの包括的PQSの取組み
  7. まとめ

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