微粒子分散、凝集の制御へ向けたゼータ電位の活用と評価、測定

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第1部 ゼータ電位の活用とその評価

(2022年11月16日 10:30〜14:30) ※途中、お昼休憩含む

 微粒子の分散・凝集は粒子間のファンデルワールス引力と粒子間の静電斥力の大小に依存する。この静電斥力は粒子のゼータ電位によって決定され、ゼータ電位が大きいほど大きい。ゼータ電位は微粒子分散系の分散促進因子である。  ここで、重要なことは、「ゼータ電位は直接測定される量ではなく、適切な理論式に従って電気泳動移動度等から計算される量である」という点にある。この理論式は媒質の条件 (塩濃度、温度、誘電率等) や粒子のゼータ電位の大きさや形状によって異なる。本講座ではゼータ電位の求め方について詳述し、その活用と評価について解説する。

  1. ゼータ電位とは何か
  2. ゼータ電位とDerjaguin-Landau-Verwey-Overbeek (DLVO) 理論
  3. 微粒子間に働くファンデルワールス引力:微粒子集団は凝集する
    1. 分子間ファンデルワールス引力がないと分子集団から微粒子はできない
    2. 微粒子間に斥力がなければ微粒子集団は凝集する
    3. エネルギーと電位の尺度:熱エネルギー
    4. 微粒子間引力は分子間ファンデルワールス引力の総和
    5. 微粒子集団の凝集促進因子:ハマカー定数
    6. 似た者同士は引き合う:疎水性コロイドと親水性コロイド
  4. 微粒子間引力に対抗する微粒子間斥力:静電斥力
    1. 帯電微粒子は裸ではなく電気二重層 (対イオンの雲) で覆われている
    2. ポアソン・ボルツマンの式
    3. 微粒子集団の分散促進因子:ゼータ電位 (表面電位にほぼ等しい)
  5. 電気泳動移動度の測定値からゼータ電位を計算する式
    1. スモルコフスキーの式:任意の形状の大きな固体粒子
    2. ヒュッケルの式:小さな固体粒子や非水系
    3. ヘンリーの式:任意のサイズでゼータ電位が50mV以下の球または円柱
    4. ゼータ電位が50 mV以上では緩和効果 (電気二重層の変形) を考慮
    5. エマルションは同じゼータ電位をもつ固体粒子より速く泳動
    6. 柔らかい粒子 (高分子で被覆した粒子) ではゼータ電位の概念は失われる
  6. 沈降電位、濃厚系および動的電気泳動:CVPとESA
    1. 沈降電位
    2. 濃厚系
    3. 動的電気泳動:CVPとESA
  7. DLVO理論に基づく微粒子間の静電反発エネルギーの計算
    1. 粒子間の静電斥力:拡散電気二重層の重なり
    2. 分散安定性を評価する標準理論: DLVO理論は
  8. 分散系の安定性の評価とポテンシャル曲線の作成
    1. 微粒子間全相互作用エネルギーと微粒子分散系の安定性
    2. 安定性のわかるマップ
  9. まとめ

第2部 分散安定性評価におけるゼータ電位、粒子径測定

(2022年11月16日 14:45〜16:15)

 コロイド粒子の分散性の指標として用いられるゼータ電位と、分散・凝集状態を評価する粒子径測定を併せて評価することで、分散安定性として評価することができます。その測定の原理から測定精度を得るためのノウハウ、アプリケーション事例についてご紹介します。

  1. 光散乱法について
  2. ゼータ電位測定の測定原理
    1. 電気泳動法について
    2. 電気浸透流の解析
  3. 粒子径測定の測定原理
    1. 動的光散乱法について
    2. 粒子径、粒子径分布の解析
  4. 測定のノウハウ
    1. 精度良く測定するための注意点
  5. アプリケーション事例
    1. ゼータ電位、粒子径とpHの関係
    2. 添加剤の種類による影響
    3. 温度グラジエント測定

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