2050年にカーボンニュートラルを実現するためには、「グリーン成長戦略」で示される、ありとあらゆる技術開発を着実に進めていく必要がある。その中でも、産業の根底を支える電力部門において、再生可能エネルギーの主力電源化を避けて通ることは出来ず、再エネの偏在性や変動性を補うために、広義の「水素」を効果的に利用する必要がある。
水素は、様々なエネルギー源から製造可能や、燃やしてもCO2を排出しないなど、様々な場面でその長所のみが語られるが、一方で電力を用いて水素を製造した場合、1Nm3の水素を製造するために、現状、5kWhの電力を必要とする。すなわち、これは1Nm3の水素を20円のコストで製造するためにかけられる電力の単価が、4円/kWh以下であることを意味する。一方で、余剰電力に目を向けた場合、その設備稼働率が低すぎて、コストに占めるCAPEXが重くのしかかるコスト構造となっている。
本セミナーでは、こうした水素製造や水素貯蔵のコスト構造をできるだけシンプルに示し、低コスト化に向けて注力すべき点を説明していきたい。
- 再生可能エネルギーの特徴と主力電源化への課題
- 再生可能エネルギーの特徴
- 再生可能エネルギーの平準化
- 水素製造技術の解説と低コスト化への考察
- 光触媒による水素の製造コスト
- 電解水素の製造コスト
- PVの余剰電力に目を向けた低コスト水素製造
- カーボンリサイクル技術とそのコスト構造
- 熱化学水素製造
- Naレドックス反応による低温熱化学水素製造
- 水素貯蔵技術の解説と各材料系の応用展望
- 現行のタンクによる水素貯蔵の問題点
- 有望なエネルギー (水素) キャリアとその課題
- 再エネの季節間変動対策と水素貯蔵技術
- 水素貯蔵材料における学術ミニマム
- 水素貯蔵材料の種類と特徴
- 水素貯蔵材料としてのアンモニア
- アンモニアの貯蔵技術
- 水素吸蔵合金を用いた水昇圧技術
- 水素吸蔵合金を用いた蓄熱技術
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