プラスチック・樹脂における吸水・吸湿性の考え方、対処法、測定評価

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本セミナーでは、プラスチック・樹脂における吸水・吸湿トラブルの原因と対策、吸湿量・吸水量の測り方、機器設定や前処理などのポイントについて、動画やデモを交えて詳解いたします。

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プログラム

第1部 電気・電子部品に用いられるエポキシ樹脂の「吸湿」によるトラブルとその対策

(2022年10月31日 10:30〜11:30)

 電気・電子部品に用いられるエポキシ樹脂には厳しい耐湿特性が求められるため要求特性を満足させるためには材料設計、保管法、使用法などで気を付ける点がいくつかある。本講義では低吸湿エポキシ樹脂のための材料設計から十分に特性を引き出すための取り扱いの注意点などについて解説する。

  1. 低吸湿エポキシ樹脂の設計
    1. エポキシ樹脂
    2. 硬化剤
    3. 無機フィラー
  2. 硬化前の吸湿によるトラブル
    1. 硬化剤の吸湿
  3. 硬化後の吸湿によるトラブル
    1. 体積膨張
    2. 耐熱性の低下
    3. 電気特性の低下
  4. 吸水に起因した不具合の例
    1. リフロークラック
    2. 腐食
      1. 電解腐食
      2. マイグレーション

第2部 プラスチックの吸水性の考え方と実用特性

(2022年10月31日 12:30〜14:00)

 プラスチックが吸水すると実用性質が変化する。吸水機構と吸水特性について述べた上で、吸水に関係する実用上の留意点について解説する。

  1. プラスチックの吸水機構
    1. 水分の拡散挙動
    2. 吸水性に与える諸要因
      • ポリマーの極性
      • 溶解度パラメーター
      • 自由体積
  2. プラスチックの吸水率
    1. JIS K7209に基づく試験法
    2. 実用上の留意点
      • 吸水曲線と飽和吸水率
      • 温度と吸水率
  3. 吸水と実用特性
    1. 寸法変化
    2. 強度変化
    3. 加水分解
  4. 吸水と成形
    1. 成形材料の吸水と乾燥
    2. 吸水と成形不良現象
    3. 予備乾燥方法、条件

第3部 樹脂・プラスチックの吸湿性・水分吸脱着重量測定・水分による形状・寸法への影響についての測定法について

(2022年10月31日 14:15〜16:30)

 ガラス転移など樹脂における基本的な転移現象についても解説しながら、水分の影響を評価する分析手法について詳細に説明し、ポリイミド、ナイロンなどの吸湿性が高い電子デバイス向け材料を中心とした測定事例について解説する。

  1. 熱重量分析による吸湿水分量の定量評価
    1. 熱重量分析に用いられる一般的な天秤方式
    2. 熱重量分析の精度とデータへの測定条件の影響
    3. 吸湿水分量の定量と他分析法との比較
  2. 水分吸脱着重量測定による吸脱湿挙動の評価
    1. 水分吸脱着重量測定の装置と測定条件
    2. 測定モードと測定から分かること
    3. プラスチック材料およびフィルムの吸湿性、透湿性の測定事例
  3. 水分によるプラスチックの寸法・形状への影響
    1. 熱機械分析による精密寸法計測の基礎
    2. 測定装置と測定条件
    3. プラスチックフィルムの湿度膨張係数 (CHE) 測定事例
  4. 水分によるプラスチックの粘弾性特性への影響
    1. プラスチックの粘弾性測定モード
    2. 湿度コントロール下での測定条件
    3. プラスチックフィルムの粘弾性における相対湿度の影響評価事例
  5. 水分によるプラスチック転移挙動の変化
    1. 吸湿によるガラス転移温度への影響
    2. 吸湿による結晶化・融解挙動への影響
    3. 転移挙動の変化が及ぼす機械特性および電気特性への影響

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