第1部 5G/Beyond5Gと電磁波シールド・電磁波吸収体の材料設計
(2022年10月24日 10:00〜11:30)
情報通信分野においてIoT:Internet of Thingsが進展し、第5世代の通信技術5Gと結合してきた。使われる周波数は、Sub6と呼ばれる3.7GHzと4.5GHz、28.8GHz更に60GHz、で”ミリ波”である。更に6Gも多く語られている。自動車の自動走行や衝突防止は移動革命実現の中核技術であり、それらの誤動作を防ぐ”電波シールド・電波吸収体”は必須である。今までTVゴースト (〜800MHz) や船舶レーダーの橋体による偽像 (700MHz〜26GHz) 対策に、近年は、無線LAN (2〜60GHz) 、携帯電話 (800MHz〜2GHz) 、Bluetooth (2.4GHSubz) 、電力線通信 (〜2GHz) 、実用化したETC (自動料金支払いシステム、5.8GHz) やITS (高度道路交通システム、〜76GHz) に主として電波吸収体が開発されてきた。いずれも、マイクロ波が中心であった。更に、5G、Beyond5G、6G 何れにおいても、シールド・吸収技術がノイズ対策として重要である。
本講座では5Gの基礎技術、アンテナ、アナログフロントエンドの最新技術を紹介し、これらの電波障害対策に、そして5G・6Gの完全な実現のために”近傍界及び遠方界”“メタサーフェイス、メタマテリアル“考慮した電波シールド・電波吸収技術を紹介する。
- 5G通信の世界とは?
- 5G/beyond5G,6Gとは
- ミリ波応用に向けて
- EMCの考え方
- 5Gの材料を中心にした話題 (5G通信の世界とは?)
- アンテナ
- 5G通信技術
- GaNアンプ
- 高周波基板
- フィルター
- RFフロントエンド
- 高周波測定法
- 電磁波の基礎と材料透磁率測定法
- 電波伝搬と反射
- ループアンテナ
- ロッドアンテナ
- ループアンテナ近傍の電磁界
- 波動インピーダンス
- 複素誘電率・複素透磁率測定法
- 測定理論
- 測定例 (CバンドからWバンドまで)
- シールド効果と反射・吸収損失の導出
- シェルクノフの式
- シールド効果
- 反射損失、吸収損失の導出と計算例
- 遠方界と近傍界のシールド効果の式導出
- 磁界源近傍のシールド効果の改善
- KEC法による磁界源近傍のシールド効果測定例
- 筐体形状によるシールド効果
- ワイヤーメッシュのシールド効果
- 長・短金属線配列構造によるシールド効果 (メタマテリアル,FSS)
- メタサーフェイス (周波数選択表面,FSS) の基礎
- シールド特性評価法 (遠方界と近傍界)
- 自由空間法 (遠方界)
- KEC法 (近傍界)
- 近傍界プローブ法 (近傍界)
- ストリップライン法 (Rtp)
- 電波吸収体の設計と応用例 (遠方界、近傍界応用)
- 広帯域ミリ波電波吸収体のETC対応・ミリ波対応電波吸収体の試作・評価
- 無線LAN用電波吸収体の試作・評価 FSS・自由空間・遠方界
- テラヘルツ帯の電波吸収体の試作・評価
第2部 GHz帯用広帯域電磁波吸収材の開発設計
(2022年10月24日 12:10〜13:40)
GHz帯の高周波の電磁波を吸収するためには、低周波とは異なる材料の設計が必要となります。この帯域の吸収材として、樹脂にカーボン系フィラーを添加したものなどが知られていますが、吸収する帯域が狭かったり、厚みや形状が限定されたりするといった課題があります。KRIでは、樹脂中でのフィラーの分散状態を制御するという手法によって、これまでに無かった広帯域の電磁波吸収材を開発しました。講演では、その設計コンセプトや開発品の性能について説明します。
- 開発の背景
- 従来の高周波用電磁波吸収材と課題
- 広帯域の吸収材開発の狙い
- 広帯域電磁波吸収材の開発
- 設計コンセプト
- 電磁波吸収フィラーの分散状態制御
- 開発品の性能
- 今後の展望
第3部 低コストFSSを使用した広帯域CA電波吸収体の開発
(2022年10月24日 13:50〜15:20)
CA (Circuit Analog) 電波吸収体の概要を説明する。また、CA電波吸収体の関連技術として、メタマテリアルの概要について説明する。さらに、等価伝送線路モデルを用いた、広帯域CA電波吸収体の設計技術について説明する。続いて、CA電波吸収体の低コスト化技術について説明する。最後に、CA電波吸収体の今後の展望について述べる。
- CA (Circuit analog) 電波吸収体の概要
- CA電波吸収体とは
- 製造方法
- 動作原理
- メタマテリアルの概要
- メタマテリアルとは
- FSS (周波数選択表面) の特徴
- CA電波吸収体の構成
- 広帯域CA電波吸収体の設計
- 等価伝送線路モデル
- インピーダンスの計算方法
- 吸収特性の計算方法
- CA電波吸収体の低コスト化
- 非対称素子によるチップ抵抗数削減
- チェスボード配列による反射低減
- 解析結果
- 測定結果
- 今後の展望
- アクティブ素子による動的制御技術
- 将来無線への適用
第4部 電磁波吸収・ノイズ抑制体の設計とEMC対策
(2022年10月24日 15:30〜17:00)
従来のノイズ抑制シート等の電磁波吸収ゴムシートは、EMC対策として使用されてきたが対策部品であり、設計段階からの参入は困難である。
そこで、電磁波吸収シートの設計と、EMC問題を設計段階から使用できるように高周波モジュール (自動車衝突防止レーダ) を例にとり、理論設計を行い、シートの設計部品と化を行った事例を解説する。
- 電波吸収・ノイズ抑制ゴムシートの製造と基礎特性の把握
- 軟磁性金属粉末の箔片化処理
- 複合材料のμr、εrの把握
- 同軸短絡法によるμrの測定
- 粒子含有量、粒子形状・配向、粒子径の複合材料特性への影響
- 導波管Sパラメータ法による異方性定数の測定
- 電波吸収・ノイズ抑制ゴムシートのEMC対策
- 高周波筐体内不要結合抑制の最適設計と実例 (例: 自動車衝突防止レーダ)
- (例えば、準ミリ波、ミリ波) 電子機器筐体内カップリング抑制の最適設計
- 回路基板 (マイクロストリップ線路) 上に貼付したコモンモードノイズの抑制効果の測定と解析
- トロイダル型ローパスフィルター効果
- ゴムシートの各種適用事例
複数名同時受講割引について
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