本セミナーでは、粉砕のエネルギー効率向上や、普遍的な最適な粉砕機構造、スケールアップ法構築のためのDEMシミュレーションの効用など原理から一歩先の応用までを徹底解説いたします。
粉砕は、製粉、製薬、セメント、窯業、各種化学薬品、金属製錬、リサイクル工業などで行われている。粉砕機の駆動はモーターであり、動力消費は操業コストに直結することからそのエネルギー効率改善が強く望まれている。そのためには粉砕の原理を知り、最適粉砕機の選択、粉砕操作の最適化、同プロセスの最適化が不可欠である。一方、粉砕では部材からの摩耗粉混入が避けられない。これを軽減するには幾つかの方法があるが、砕料 (粉砕原料) に対してミル部材質を適宜に選択する等である程度対応可能な場合が多い。また、固体を強い力で細かく砕くと、微粒子が活性になり加熱なしでも反応し、あるいは凝集することがあり、これを利用した様々な工学的利用がある。 本セミナーでは、粉砕の原理を理解し、粗砕から微粉砕の機構、エネルギー法則、乾式と湿式粉砕の特長、粉砕機の最適操作に関する基本的事項を解説し、効果的粉砕に対する考え方を述べる。また、粉砕は生成する粉体を活性化させるが、この現象 (メカノケミカル効果) を概説し、それを利用して粉砕後の処理プロセス (溶解や加熱処理) を効果的に進めると様々な資源処理ができる。本セミナーではその代表例を紹介する。更に、粉砕のエネルギー効率向上や、普遍的な最適な粉砕機構造やスケールアップ法構築のためのDEMシミュレーションの効用について解説する。これにより粉砕とその工学的利用についての理解度が一層向上することが期待できる。