最近の自動車は、走行環境・車内環境・操縦性を良くするために多くのモータや電子制御システムが使用され、電気の使用量は増加の一途をたどっている。
電気自動車は、バッテリーに蓄えられたエネルギーを使用して走行するため、モータおよび駆動システムの高効率化やエネルギーの効率的な利用が求められている。
本講座では、電気自動車に使用されるモータの種類と構造、エネルギー回生を可能にするモータ駆動回路、モータ駆動回路への供給電圧を高電圧化し、回生したエネルギーをバッテーに蓄電するための双方向型の昇圧降圧コンバータの回路構成、エネルギー回生を実現しやすい制御手法について解説する。その後で、車両の持つ運動エネルギー、エネルギー回生の基本的な考え方、何をすればエネルギー回生が実施できるかなどついて解説し、具体的な制御手法を解説する。最後にエネルギー回生の効率を高める蓄電技術についても解説する。
- EVで使用されるモータの種類と特性
- モータの種類と構造
- モータの構造とトルク発生原理
- 永久磁石同期モータ (SPMSMとIPMSM)
- 磁石の形状と配置
- 巻線方式と結線方式
- 結線の違いによる駆動効率の違い
- モータの起電力波形と巻線電流
- 駆動回路
- ブラシ付DCモータ駆動回路
- エネルギー回生が可能なブラシ付DCモータ駆動回路
- 永久磁石同期モータ駆動用3相インバータ回路
- PWM制御と巻線電流
- 直流供給電圧を変えず実効値電圧を上昇
- 昇圧・降圧DC/DCコンバータ
- なぜモータ駆動回路にコンバータが使われるか
- 降圧型と昇圧型コンバータ
- 絶縁型と非絶縁型コンバータ
- 単方向コンバータと双方向コンバータ
- 多相方式DC – DCコンバータ
- 絶縁型双方向昇圧・降圧コンバータ
- エネルギー回生と電気自動車駆動システム
- モータ制御手法
- 電力とトルクの関係
- 電圧制御と電流制御
- エネルギー回生を実現する速度制御
- 永久磁石同期モータのスカラー制御
- 永久磁石同期モータのベクトル制御
- 回生したエネルギーで回路を破壊させないために
- 車両の持つ運動エネルギー
- 回転体の運動エネルギー
- 車両の運動エネルギー
- 車両の質量を慣性モーメントに変換
- エネルギー回生
- 車両の運動エネルギーはすべて回収できるか
- エネルギー回生の基本的な考え方
- 機械エネルギーを電気エネルギーに変える
- 速度制御によってエネルギー回生が起きる
- ブラシ付DCモータのエネルギー回生
- 永久磁石同期モータのエネルギー回生
- 回生の効率を高める蓄電技術
- 回生したエネルギーを蓄えるデバイス
- バッテリーの種類によっては,急峻な電力を受け取れない
- リチウムイオンキャパシタ (LiC) や電気二重層キャパシタ (EDLC) の利用
- バッテリーとキャパシタを併用した電源システム
- 高効率なエネルギー回生を実現する蓄電システム
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