本セミナーでは、デザイン思考によるプロジェクトマネジメントの仕方 (特に、ニーズとシーズのベストマッチングの仕方と、トップダウンによる全体最適化の仕方) や、その効能・効果について、具体的な事例に基づき、分かりやすく説明いたします。
日時
- 2022年11月29日 10時30分〜 2022年11月29日 16時30分
- 2022年11月30日 10時30分〜 2022年12月6日 16時30分
プログラム
デザイン思考とは、課題 (ニーズ) の把握と、課題解決方策 (シーズ) の検討を、同時に並行して行うことにより、課題解決で期待される効果の最大化 (ニーズとシーズのベストマッチング) を追求する取り組み方 (思考法) のことです。あたかも、縦糸と横糸を織り成して、絵柄 (デザイン) を編み出すような取り組み方です。このようなデザイン思考は、グローバルスタンダードである性能発注方式の取り組み方 (つまり、ニーズとシーズをベストマッチングした上で「このようなものを作ってくれ」といった取り組み方) と、表裏一体の関係にあると言えます。ところが、我が国では、独自のガラパゴスともいえる仕様発注方式の取り組み方 (つまり、詳細な仕様を確定させた上で「このとおりに作ってくれ」といった取り組み方) が昔も今も普遍的であり、性能発注方式の取り組み方 (デザイン思考を含めて) にはほとんど馴染みが無いところです。しかしながら、技術革新が激烈な分野でオープンイノベーションにより画期的な製品を創り出す場合や、DX (Digital Transformation) の推進に向けてソフトウェアを開発する場合には、詳細な仕様を確定させた上で「このとおりに作ってくれ」といった仕様発注方式の取り組み方ではうまくいくはずもありません。そこで、ニーズとシーズをベストマッチングした上で「このようなものを作ってくれ」といった性能発注方式の取り組み方の出番となるところですが、誠に残念なことに、我が国では性能発注方式の取り組み方にほとんど馴染んでいないのです。このため、オープンイノベーションにより画期的な製品を創り出す場合や、DXの推進に向けてソフトウェアを開発する場合であっても、我が国では仕様発注方式の取り組み方 (考え方) が色濃く反映されてしまい、その結果として齟齬を来してしまった事例には枚挙にいとまが無いところです。これでは、プロジェクトマネジメント云々どころではありません。 例えば、新型コロナ対策として期待されながらも大きな問題が生じてしまった「接触確認アプリのCOCOA」や「アベノマスク」は、いずれも仕様発注方式の取り組み方 (考え方) が色濃く反映された国家プロジェクトでした。また、企業の業務運営の基盤を成す基幹系システムを、DXの推進に向けて刷新しようとする民間のプロジェクトでは、仕様発注方式の取り組み方 (考え方) が災いして大規模なソフトウェア開発に失敗し、その責任を巡って裁判沙汰となってしまった事例も少なくありません。それゆえ、新規のプロジェクトや事業を成功させるには、これまでの仕様発注方式の取り組み方 (考え方) に立脚したプロジェクトマネジメントではなく、これからは性能発注方式の取り組み方 (考え方) に立脚したプロジェクトマネジメント、つまり、デザイン思考によるプロジェクトマネジメントが欠かせないと言えます。 ところで、新規のプロジェクトや事業でその達成目標に掲げる主要な要求要件の間には、トレードオフ関係、つまり、彼方を立てれば此方が立たなくなる相反関係が生じます。このようなトレードオフ関係にある要求要件に数値目標を設定しようとする場合に、各要求要件ごとに最適と判断した数値を割り振っていくといった、「ボトムアップによる部分最適化」のアプローチではうまくいくはずがありません。そこで、このような場合には、トレードオフ関係にある要求要件の全体を一つの達成目標として捉えて、トレードオフ関係を熟慮した上で、各要求要件の目標数値については各々の「最大値」の位置に並び立たせるといった、「トップダウンによる全体最適化」のアプローチが必須となります。要するに、新規のプロジェクトや事業の成否は、プロジェクトマネジメントによる全体最適化の成否次第であると言えるのです。 そこで、本セミナーでは、デザイン思考によるプロジェクトマネジメントの仕方 (特に、ニーズとシーズのベストマッチングの仕方と、トップダウンによる全体最適化の仕方) や、その効能・効果について、具体的な事例に基づき分かりやすく説明します。
- 「デザイン思考」とは?
- デザイン思考の目指すところは、ニーズとシーズのベストマッチング
- デザイン思考は、性能発注方式の取り組み方と表裏一体の関係
- デザイン思考の取り組み方は、ニーズの把握とシーズの探索を同時に並行して実施
- デザイン思考の具体的かつ効果的な実践方法
- 「ニーズとシーズのベストマッチング」の概要をまとめた「計画書」を作成
- 「計画書」には次の3項目を、誰でも一読すれば理解できる文章で記載
- 現状の課題 (ニーズ)
- 課題解決方策の概要 (シーズ)
- 課題解決で期待される効果 (ニーズとシーズのベストマッチング)
- デザイン思考が支える「性能発注方式」
- 性能発注方式は、「このようなものを作ってくれ」といった目的を示す発注方式
- 性能発注方式は、グローバルスタンダード
- 性能発注方式の基本は、「デザイン思考」によるニーズとシーズのベストマッチング
- 性能発注方式の主眼は、費用対効果の最大化
- 性能発注方式の本質は、トップダウンによる全体最適化
- 日本人のDNAに組み込まれている「仕様発注方式」
- 仕様発注方式は、「このとおりに作ってくれ」といった手段を示す発注方式
- 仕様発注方式は、他国に類を見ない我が国独自のガラパゴス
- 仕様発注方式の基本は、「設計・施工の分離の原則」
- 仕様発注方式の設計発注時における問題
- 仕様発注方式の本質は、ボトムアップによる部分最適化
- DX、オープンイノベーション、プロジェクトマネジメントを成功させる鍵は、
「デザイン思考の性能発注方式」による取り組み- DXに欠かせないソフトウェア開発
- DX (Digital Transformation) とは?
- 我が国では、企業の基幹系システムの更新失敗が頻発し裁判沙汰も数多
- 三菱食品のインテックに対する約127億円の損害賠償訴訟
- 古河電気工業のワークスアプリケーションズに対する約50億円の損害賠償訴訟
- 文化シヤッターの日本IBMに対する約27億円の損害賠償訴訟
- 野村ホールディングスと野村証券の日本IBMに対する約36億円の損害賠償訴訟
- NTT東日本の旭川医科大学に対する約23億円の損害賠償訴訟
- スルガ銀行の日本IBMに対する約111億円の損害賠償訴訟
- 仕様発注方式による取り組みでは、ソフトウェア開発の成功はおぼつかない
- ソフトウェア開発を成功させる鍵は、性能発注方式による取り組み
- 経営トップまでの認識と意志の統一を図るための計画書の作成
- 開発するソフトウェアの「機能と性能の要求要件」を示した要求水準書の作成
- オープンイノベーション
- オープンイノベーションとは?
- イノベーション (技術革新) は、目的ではなく手段であり結果
- 仕様発注方式による取り組みでは、オープンイノベーションの成功はおぼつかない
- オーブンイノベーションを成功させる鍵は、性能発注方式による取り組み
- 優れたベンダー企業を募る方法
- 官庁が募る場合
- 民間企業が募る場合
- プロジェクトマネジメント
- プロジェクトや事業の最大課題は、主要達成目標間に生じるトレードオフ関係
- トレードオフ関係への対処は、「ボトムアップによる部分最適化」では困難
- トレードオフ関係への対処は、「トップダウンによる全体最適化」しかない
- 全体最適化の成否は、プロジェクトや事業の成否に直結
- プロジェクトマネージャ不在の「組織対応」では、全体最適化は困難
- プロジェクトマネージャのトップダウンによる全体最適化が肝要
- 仕様発注方式の考え方に立脚したプロジェクト運営の弊害
- プロジェクトや事業の最大課題は、主要達成目標間に生じるトレードオフ関係
- DXに欠かせないソフトウェア開発
- 【プロジェクトマネジメントの事例研究その1】
零戦の大成功と後継機「烈風」の開発失敗- 零戦は、20世紀の世界地図を塗り替えた純国産の工業製品
- 零戦は、性能発注方式による戦前最大のイノベーション事例
- 旧日本海軍は、1枚の計画要求書で三菱重工に研究開発・設計・製造を委託
- 戦闘機の開発では、空戦性能・最高速度・航続距離が三つ巴のトレードオフ関係
- 零戦が成功した秘訣
- 旧日本海軍が作成した計画要求書は、ニーズとシーズをベストマッチングした結晶
- プロジェクトマネージャ (三菱重工の設計主務) がトップダウンで全体最適化
- 零戦の後継機「烈風」の開発に旧日本海軍は大失敗
- 零戦と烈風の開発スキーム (受発注者と発注方式) は全く同じ
- 烈風の開発では、空戦性能の部分最適化への要求が全体最適化を破綻させた
- 零戦の成功と後継機「烈風」の開発失敗が残した教訓
- 性能発注方式では、受注者に委ねるべき設計に発注者は立ち入ってはならない
- 全体最適化の成否は、国運をも左右した
- 【プロジェクトマネジメントの事例研究その2】
仕様発注方式で失敗・破綻し、性能発注方式で復活・成功した新国立競技場整備事業- 2015年7月17日、新国立競技場整備計画が白紙撤回
- 2012年実施の国際デザインコンクールを起点とする新国立競技場整備計画
- 設計と施工を分離する仕様発注方式で推進された新国立競技場整備計画
- 2年半の設計委託期間と60億円余りの設計委託費を費やした挙句に白紙撤回
- 新国立競技場整備計画が白紙撤回されるまでの工事費試算額の推移
- 新国立競技場整備計画が破綻した原因
- 新国立競技場では、スペック・工事費・工期が三つ巴のトレードオフ関係
- 工事費の部分最適化の追求が、スペック・工事費・工期の全体最適化を破綻させた
- 終盤に切札として採用したECI方式でも、工区分割による部分最適化を追求
- プロジェクト運営を組織対応で行い、実質的なプロジェクトマネージャが不在
- 性能発注方式で復活した新国立競技場整備事業
- 復活の鍵は、2014年の改正品確法に規定された性能発注方式
- 復活に向けた動きは極めて迅速
- 2019年11月30日に新国立競技場が滞り無く完成できた要因
- 計画書で、関係者の認識と意志を統一
- 要求水準書で、設計と施工に必要十分となる「機能と性能の要求要件」を提示
- プロジェクトマネージャ (受注者側の総括代理人) がトップダウンで全体最適化
- 2015年7月17日、新国立競技場整備計画が白紙撤回
- 【プロジェクトマネジメントの事例研究その3】
X線天文衛星「ひとみ」の大失敗と小惑星探査機「はやぶさ」の大成功- X線天文衛星「ひとみ」は国際協力ミッション
- 「ひとみ」は打ち上げに成功した1ヶ月後にバラバラに分解
- 「ひとみ」がバラバラに分解した原因は、ソフトウェアのバグとデータの誤入力
- 姿勢測定系のソフトウェアのバグによる異常回転の開始
- 姿勢変更系のデータ誤入力による異常回転の加速
- 「ひとみ」の姿勢測定系は機能設定に大きな問題があり非常に脆弱
- 「ひとみ」の姿勢測定系が脆弱化した経緯
- ボトムアップによる部分最適化ではなく、トップダウンによる全体最適化が必要
- 大成功した小惑星探査機 「はやぶさ」
- 「はやぶさ」と「ひとみ」の開発スキーム (受発注者と発注方式) は全く同じ
- 「はやぷさ」が遭遇した数多のトラブルと迅速・的確な対処
- 「はやぶさ」と「ひとみ」の対比からの教訓
- プロジェクトマネージャのトップダウンによる全体最適化が欠かせない
- 製造発注に先立つ設計仕様審査から要求性能審査への切り替えが必要
- 「はやぶさ」と「ひとみ」のリスクマネジメントとダメージコントロール
- 全体最適化は、プロジェクトや事業を成功させる必須条件
- 5〜7の事例研究に掲げたプロジェクトや事業の成功事例と失敗事例の対比
- 全体最適化の成否は、プロジェクトや事業の成否に直結
- 仕様発注方式では、「プロ中のプロ」によるトップマネジメントが全体最適化に必須
- 性能発注方式では、受注者に委ねるべき設計に立ち入った場合の全体最適化は困難
- 「デザイン思考の性能発注方式」の具体的な実践方法
- 戦後の我が国で初となる性能発注方式により完遂した
「宮崎県警察本部ヘリコプターTVシステム整備事業」が、実践に向けたモデル
- 「デザイン思考の性能発注方式」は、合理的で誰でも実践可能
- 前例のない性能発注方式で取り組むことになった経緯
- 戦後の我が国で初となった性能発注方式の合理性とその波及効果
- 理想的な計画書を作成する上での要点
- 新国立競技場整備事業と零戦開発における関係者の意志統一の実際
- 計画書作成プロセスを通じて、ニーズとシーズをベストマッチング
- モデル事例の参照による計画書の効率的な作成
- 理想的な要求水準書を作成する上での要点
- 発注者が実現を求める「機能と性能の要求要件」を漏れなく記載
- 受注者が設計と製造を行う上で必要十分な情報を提供
- モデル事例の参照による要求水準書の効率的な作成
- 「ターゲット発見システム整備事業」をモデルとした計画書と要求水準書の記載例
- 「ターゲット発見システム整備事業」をモデル事例とした理由
- ターゲット発見システムとは?
- 効果的なターゲット発見システムは、性能発注方式でなければ実現が困難
- ターゲット発見システム整備事業の計画書の記載例
- ターゲット発見システム整備事業の要求水準書の記載例
- 「ターゲット発見システム整備事業」をモデル事例とした理由
- 戦後の我が国で初となる性能発注方式により完遂した
「宮崎県警察本部ヘリコプターTVシステム整備事業」が、実践に向けたモデル
- 質疑応答
受講料
- 1名様: 34,200円(税別) / 37,620円(税込)
- 複数名: 22,500円(税別) / 24,750円(税込)
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,200円(税別) / 37,620円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
- 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。 - 他の割引は併用できません。
- サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。
アカデミー割引
教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。
- 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
- 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
- お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
ライブ配信セミナーについて
- 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
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