第1部 研究成果の迅速な事業化のための部門間の壁を越えた協力体制の作り方
(2022年10月5日 10:00〜11:30)
研究開発 (R&D) の迅速な事業化に悪影響を及ぼす要因として部門間の壁が挙げられ、特に営業部門と工場部門の壁が大きな障壁になる場合が多々ある。そして、この2つの部門に挟まれて一番苦労するのはR&D部門であるが、営業と工場の両部門の協力がないとR&D成果の迅速な事業化はできないため、R&D部門が積極的に営業部門と工場部門の間に入り、この2部門の壁を壊すと同時に協力体制を構築して行かなければならない。
本稿ではR&D成果の事業化に関連する工場部門、営業部門、R&D部門の3つの部門について、部門間の壁を乗り越えて、協力体制を作る方法について説明する。また、企業の大小があるため数値的な判断はせず、その考え方について持論を述べたい。
- 異なる集団の壁
- 文化の違いによる考え方の違い
- 企業における代表的な部門の壁
- 営業部門、工場部門、R&D部門の考え方の違い
- R&D運営における組織の考え方
- R&D運営における人事異動の考え方
- R&D遂行プロジェクト (PJ) チームを作れ
- PJメンバーは全員選任であるべき
- PJリーダーの選定と育成
- PJリーダーに求められる資質と役割
- PJ運営におけるチームワークの重要性
- PJリーダーのメンバーへの寄り添い方
- PJリーダーのコミュニケーション能力の必要
- PJリーダーはマネジメントに徹するべき
- 部門間の良い人間関係を構築するためのポイント
第2部 デザイン思考による技術部門とマーケティング部門の融合
(2022年10月5日 12:15〜13:45)
日本企業の技術開発部門の生産性には課題があるとの指摘が多い。それは日本から長らくイノベーションが生まれていないことに発している。日本企業は、研究開発投資をするもその投資が、成果、つまり技術革新につながりにくくなっている。その理由は日本のR&D活動が市場ニーズとかけ離れたところで行われる傾向が強いことがある。また、あくまでも製品中心に考えるため、ネットワーク時代、様々なものがネットワーク、クラウドに繋がり使用されるという事業環境の変化に対して、あくまでもプロダクトアウトな視点での研究開発しかできていないことによるものだ。
そこで本講演では、営業・マーケティング部門と連携による新規事業テーマの探索と事業化、さらにそれを可能にするデザイン思考による技術部門とマーケティング部門の融合について述べたい。
- 市場環境に基づいた新規事業テーマの探索と事業化
- 市場環境に基づいた新規事業テーマの探索と事業化が必要となる背景
- 事業部門と横断した形での事業開発の必要性
- デザイン思考によるR&D部門とマーケティング部門の融合
- デザイン思考が必要となっている背景
- デザイン思考によるR&Dとマーケティング連携事例
- デザイン思考による事業開発の実現へ
- なぜ、事業開発なのか?
- 求められる事業開発プロセス
- 製品づくりから事業を創るへ
- 必要となる企業経営の仕組み
- 人事評価
- バックキャスティング型戦略策定
第3部 R&D部門と知財部との連携によるR&Dテーマ発掘の効率化
(2022年10月5日 14:00〜15:30)
私たち本田技研工業株式会社 (以下、「Honda」) の知財部門である知的財産権・標準化統括部は、経営トップに提案する活動といったいわゆるトップダウン型の知財活動はもちろんのこと、Hondaの企業文化の特徴である現場が自ら提案して動くというボトムアップ型の活動にも力を入れ、トップダウン型とボトムアップ型の両面から企業活動への貢献を進めている。
本講演では、Honda知財部門のボトムアップ型活動の一つであるアイディエーションの企画推進業務について、理論の基礎となるHondaの“ワイガヤ”を行動科学で再構築した新しいアイディア創出プラットフォーム「YG Innovation Facilitator」と、その活用となるR&D部門との連携によるR&Dテーマの発掘活動を紹介する。
- Hondaのボトムアップ型の文化と“ワイガヤ”
- Hondaのボトムアップ型の文化
- Hondaの“ワイガヤ”とは
- ワイガヤの難しさ
- Honda知財部門の試み
- Hondaの知財部門の特徴
- 知財部門が仕掛ける独自のアイディエーション理論
- ワイガヤを行動科学で再構築 (YG Innovation Facilitator)
- ワイガヤが問う本質とは
- YG Innovation Facilitatorの基本的概念
- 体系的枠組み (行動科学に基づくワークショップ設計)
- “ワイガヤ”の場をつくるファシリテータ
- アイディア創出ワークショップによるR&Dテーマの発掘
- ワークショップの目指すゴール
- R&Dテーマにつながるワークショップ設計
- ワークショップにおける知財部門の強み
第4部 新規事業の開発で必要になる事業部門との連携
(2022年10月5日 15:45〜17:15)
研究・開発部門は、自社技術を次世代に適合する形へ進化させて強い製品を生み出す技術プラットフォームを強化し続けないといけない。また、そこからの成果は、製造・販売・技術のいずれかでビジネスにつながってなければならない。これらのプロセスの中で、研究や開発の成果を新規事業へ育てるステージは最も難しく、事業部門との連携が不可欠になる。事業部門は、顧客や市場の声をもとに新規商品や生産技術の開発に取り組んでいる。ここで連携できれば市場の最新情報だけでなく、新たな研究・開発テーマも獲得できる。研究・開発部門が取り組むテーマと実行計画は、事業開発のシナリオとして読み取れる姿にしておかないと、事業部門は連携の必要性を理解できず、スタッフ部門は研究・開発投資の決断ができない。
- はじめに (研究・開発部門と事業部門)
- クラボウの会社紹介
- 新規事業の創出に向けて
- 当社の研究・開発体制
- 研究活動と開発活動の連携
- 研究・開発と市場との接点
- 研究・開発部門への期待
- スタッフ部門とのコミュニケーション
- 事業部門とのコミュニケーション
- 新規事業の創出活動
- 新規事業の定義
- 未来事業の開拓
- 開発ロードマップに基づくテーマ管理
- 研究・開発部門と事業部門との連携
- 研究・開発成果のスムーズな事業部移管
- 研究・開発から事業活動への道のり
- おわりに (変化への対応)
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
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- 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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