ICH-Q12「ライフサイクルマネジメント」実践のためのQbDと変更管理の実施法

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第1部 ICH-Q12ガイドラインの要点とQbD・変更管理の実施

(2022年9月28日 9:30〜11:00)

ナノキャリア 株式会社 研究部 宮嶋勝春 氏
昨年10月29日に通知されたICH Q12 「医薬品のライフサイクルマネジメントにおける技術上及び 規制上の考え方に関するガイドライン」は、医薬品開発・製造で必須となっている変更管理について、その薬事上の手続きに対する3極の調和に加え、企業サイドの変更管理の手続きそのものにも大きな影響を与えるものである。そして、このガイドラインに対する理解とその活用は、単に製造現場における変更管理の取り組みに限らず、製剤開発段階の取り組みにも影響を与えるものでもある。本セミナーでは、ICH Q12ガイドラインの目的や達成手段、製剤開発との係わり、そして製造現場における変更管理に与える影響などについて演者の考えを紹介する。

  1. GMPにおける逸脱・変更管理の役割り
    1. 製造現場では、なぜ変更管理が必要となるのか
      - GMPとValidationでは不十分? -
    2. 製造現場における変更管理の具体的な手順
    3. 査察時の指摘から考える変更管理のポイント
      - どんな指摘を受けるのか、それにどう対応すべきか -
  2. QbDに基づく製剤開発と変更管理との関係
    1. QbDとは何か – その本質を考える -
    2. QbDと製造現現場おける逸脱・変更管理の関わり
      - QbDにより逸脱は減るか? -
    3. QbDは変更管理の救いの神となるか
      - QbDは変更管理の妥当性証明の手段となる? -
  3. ICH Q12ガイドラインの目的と変更管理との係わり
    1. ICH Q12 ガイドライン発行の背景と目的
    2. ICH Q12 ガイドラインの目的を達成するための3つの手段
      • EC
      • PACMP
      • PLCM
    3. ICH Q12 発行で製造現場の変更管理はどんな影響をうけるか
    4. 医薬品開発・変更管理の今後を考える
  4. まとめ

第2部 QbD実践で必要となる実験計画法・多変量解析の基礎と活用

(2022年9月28日 11:10〜14:00) ※途中50分の休憩を含む

 QbTにおける品質保証の穴を埋めるためQbDの概念が導入されました。QbDでは製剤設計を科学的に説明することが求められます。「デザインスペース」は、そのための最も有効なツールの一つであるといえます。製剤設計は、リスクマネジメントと平行して進められます。製剤開発において予測される重大なリスクを回避する条件を調査するため、適切な「実験計画」を立案する必要がありますが、そのためには「データ解析法」をマスターしておく必要があります。  本講座では、データ解析法として、分散分析法、重回帰分析法、共分散分析法、多変量解析法に加え、有効なデザインスペースを作成するための実験計画法を学びます。

  1. リスクマネジメントから実験計画を立案するには
  2. 試行錯誤的実験から実験計画法に基づく実験へ,スムーズに移行するには
  3. データ解析法 (Excel,RおよびThe UnscramblerRXを使用)
    1. 分散分析法
    2. 重回帰分析法
    3. 共分散分析法
    4. 多変量解析法
  4. 実験計画法 (Design ExpertRを使用)
    1. 混合計画法
    2. Box-Behnken法
    3. 中心複合計画法

第3部 製品ライフサイクルマネージメントの観点による医薬品開発・製造とQbDに基づいたデザインスペース設定のポイント

(2022年9月28日 14:10〜15:40)

 高品質医薬品を市場に継続的に供給していくためには、クオリティ・バイ・デザイン (QbD) アプローチに基づいた開発・製造と品質管理と、製品ライフサイクルにおける継続的な品質改善マネージメントを行っていくこと、すなわち製品ライフサイクルマネージメント (PLCM) が重要である。医薬品のPLCMは、薬事規制に従って構成され、生活者である国民の健康ニーズにしたがっており、価格は日本では薬価制度に基づいている。また、製品戦略を左右するPLCMは、一般的には製品を市場に導入してから寿命を終え衰退するまでの4段階 (導入期、成長期、成熟期、衰退期) のサイクルとして体系づけられている。  ここでは、「PLCMとは何か、QbDを利用した医薬品開発開とは何か、PLCMにおける変更管理戦略とは何か、QbD開発医薬品の承認申請と承認後の品質の継続的な改善を迅速に行うためにはどうすれば良いか、QbD開発で得られた情報・経験を活用した変更管理が適切に行われる必要がある。」などのデザインスペース設定のポイントについて述べる。

  1. 医薬品の製品ライフルサイクルマネージメント (PLCM) について
    • 市場に導入してから寿命を終え衰退するまでの4 段階のサイクル
  2. QbDを利用した医薬品開発について
    • デザインスペースの構築
  3. 医薬品のPLCMにおける変更管理戦略
    • QbD 開発で得られた情報・経験を活用した適切な変更管理
  4. 開発医薬品の承認申請と承認後のPLCMとQbD
    • QbD 開発医薬品の承認後の継続的な品質の確保のための薬事対応
  5. バイオ医薬品のPLCMとQbD について
    • デザインスペース構築の有無について

第4部 化学合成原薬製造におけるQbDを意識したライフサイクルアプローチ

(2022年9月28日 15:50〜17:20)

 錠剤や注射薬、点眼薬など私たちの健康を守ってくれる医薬品は、健康・生命に直結するものであるが、患者さんや医療従事者は手元の医薬品品質の良し悪しを直ちに判別する事ができない。そのため医薬品原薬を長期にわたり一貫した品質で安定供給することが我々メーカーの責任である。  そこでグローバル ニッチ API (Active Pharmaceutical Ingredient) を志向する当社が高品質な医薬品の生産を担保するために欠かせない取り組みの一部を紹介したい。また、当社のCDMO事業に直結するQbD開発のためのPAT (Process Analytical Technology) を用いたリアルタイム計測による原薬製造工程の設計、管理の事例を紹介する。加えて、開発部門から製造部門への技術移転にもふれ、QbDを意識したライフサイクルアプローチを提案したい。

  1. 桂化学における化学合成原薬のライフサイクルアプローチ
    1. 当社がニッチな医薬品原薬製造で考えている事
    2. 当社のCDMO事業とは
  2. 医薬品品質システム
    1. 健全なQuality Culture
    2. 製品実現プロジェクトの進展
  3. 化学合成原薬の製造法開発
    1. 試作・製法改良、具体的にはどの様に
    2. QbD開発に用いるPATって
    3. 量産製法に求められる製造方法の頑健性とは
  4. 技術移転
    1. 技術情報と実施事項はどうなっている
    2. 委託元の開発部門と受け入れ先の製造部門とのやりとり
    3. リスクアセスメントの例 例えば製造装置や試験方法が違うと
  5. 商業生産
    1. 変更マネジメントでは何を
    2. 継続的改善とは
  6. 製品の終結
  7. おわりに

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