フロー合成の条件設定とスケールアップ、トラブル対策

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医薬品をはじめ、香料・農薬・機能性材料など様々な精密化学品・化成品への展開が期待されているフロー精密合成技術。
本セミナーでは、高効率、省エネルギー・低コスト、安全性、少量から大量生産まで対応可能など、様々な利点をもつフロー精密合成の基礎から、動向、研究例、実用化、展望などについて解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 機能性化学品製造に向けた連続フロー合成法の基礎と応用、展開

(2022年9月30日 10:30〜12:10)

 あらゆる製品の供給において、利潤を最大化するためには製造から市場までを一体化 (連続) させることが重要です。食品や電化製品、自動車などでは連続法により既に効率の良い生産システムが構築されていまが、化学製品、特に医薬品などを代表とする高付加価値化学品の製造は、高校・大学の化学実験で行うようなフラスコ反応方式です。一方、演者らの注目する連続フロー法はこの現状を一変させる能力があり、化学品連続生産を現実にする切り札と言われています。  本講座では、過去10年ほどの研究例をベースに、演者らの考えや展望などを概説します。

  1. 連続フロー法とは
    1. バッチ法とフロー法
    2. フロー法の特性
    3. フロー有機合成の種類
    4. 開発の歴史
    5. 国内外の動向
  2. マイクロフローケミストリー
    1. マイクロフローケミストリー概説
    2. マイクロフローケミストリー研究例
  3. 連続フロー有機合成研究例
    1. 有機金属試薬を用いる反応
    2. 固定化試薬を用いる反応
    3. 光有機合成反応
    4. 均一系触媒反応
  4. 「タイプIV」フロー:連結・連続フロー有機合成研究例
    1. 連続フロー水素化
    2. 連続フロー炭素ー炭素結合生成反応
    3. 連続フロー炭素 – 窒素結合生成反応
    4. 連結型「タイプIV」フローによる医薬品の連続合成
  5. 連続フローをサポートする技術
    1. インライン溶媒分離
    2. インライン分析
  6. 連続フロー実用化に向けて
    1. 医薬品連続合成の実用化
    2. さらなる実用化に向けて
    3. 想定される波及効果

第2部 フロー合成における条件設定とトラブル対策

(2022年9月30日 13:00〜14:40)

 フロー合成技術は、次世代の生産技術として高収率、不純物低減や少量多品種生産など多くのポテンシャルを有しています。パラメータ設定の複雑さやスケールアップ時の不具合など製造レベルでの実装などのポイントについて本講座では事例をもとにしたご紹介を行う予定です。  フロー合成で使用する装置、条件設定とともに生じやすいトラブルについて実例をもとにご紹介します。様々なトラブルへの対策について習得いただきます。

  1. フロー合成の目指すところ
    1. 高速混合
    2. 精密温度制御
    3. 滞留時間の精密制御
    4. 単位プロセスの連続化
  2. フロー合成で起こりやすい不具合
    1. パラメータの多さ
    2. 送液不良
    3. 混合不良
    4. 除熱の不良
    5. 閉塞
    6. ラボからパイロットへ
  3. フロー合成プロセスの構築ならびにトラブル対策
    (有機リチウム反応、アニオン重合、イオン液体合成での事例をご紹介します。)
    1. ポンプの選択
    2. ミキサ・リアクタの選択
    3. 計測・制御システム
    4. 運転システム
    5. 流体解析技術
  4. 国内外の研究開発動向、今後の展望

第3部 フローリアクターの特長とポリマー/医薬品製造への応用

(2022年9月30日 14:50〜16:30)

 フローリアクターを活用したフロー連続生産は、近年、技術開発が急加速しているが、未だラボからパイロットスケールに留まっているケースも多い。そこで我々のポリマー及び医薬品製造への適用事例を紹介し、フロー連続生産の工業化を目指す方々への一助としたい。

  1. フローリアクターの特長
    1. 現象レベルでの特長
    2. プロセスレベルでの特長
    3. フローリアクターはどのような反応に向いているか
    4. フロープロセス設計の基本的考え方
  2. リビングカチオン重合への適用事例
    1. リビングカチオン重合とその課題
    2. 反応解析とリアクター設計
    3. バッチプロセスでは不可能な革新プロセスの実現
    4. 生産性向上に向けて – ナンバリングアップとスケールアップ -
    5. 安定運転の実現 – 閉塞課題の解決 -
  3. ホスゲンを用いた合成反応への適用事例
    1. ホスゲンを用いる反応の特徴と課題
    2. 本質安全向上に向けたフロープロセス設計
    3. 反応解析とリアクター設計
    4. 実機導入事例
      1. 実機導入事例1 – スケールアップ -
      2. 実機導入事例2 – フロープロセスならではのスケールアウトコンセプトによる検討期間の大幅短縮 -
  4. フローリアクターにおけるマルチパーパスコンセプト
  5. 設備導入及び稼働
    1. 送液制御
    2. 設備設計
    3. 運転方法
  6. フロープロセスが描く未来
    1. 今後求められる技術
    2. 未来工場の実現に向けて

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