アンモニアの燃焼技術と窒素酸化物 (Nox) 低減、抑制法

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
オンライン 開催

本セミナーでは、水素キャリアとして有望視されている有機ハイドライドを取り上げ、有機ハイドライドの基礎や社会状況に加えて、貯蔵・運搬・生成に必要な基盤技術について解説いたします。
また、基幹技術である脱水素プロセスに関して、触媒に求められる性能や高性能化の方法論について分かりやすく解説するとともに、多元素合金触媒などの最先端の技術・材料についても紹介いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 脱炭素燃料としてのアンモニアの位置付けと直接・混焼技術

(2022年9月26日 10:00〜11:30)

 ブルーアンモニアやグリーンアンモニアを燃料として脱炭素発電システムを構成するための基礎知識および最新動向をわかりやすく解説します。アンモニアの化学的物性、燃焼の基礎、アンモニアの燃焼法と燃焼装置について概説した後、アンモニアを燃料とする脱炭素発電システムの構想を発電コストと関連付けて提案します。また、アンモニア燃焼で課題となるNOxやN2Oの発生メカニズムやその抑制法について解説します。

  1. 燃料アンモニアの動向と基礎知識
    1. 燃料アンモニア利用に関する政策動向
    2. 燃料としての物性と特長
    3. アンモニア製造プロセスの概要
    4. ブルーアンモニアとグリーンアンモニア
    5. ブルーアンモニアとグリーンアンモニアのコスト
  2. アンモニアの燃焼技術
    1. 燃焼の基礎
    2. アンモニアの燃焼装置
    3. アンモニアの燃焼技術
      1. 酸素富化燃焼 (直接燃焼)
      2. 水素との混焼
      3. 天然ガス (メタン) との混焼
    4. アンモニア/水素混合ガスの製造法
      1. アンモニア分解触媒
      2. アンモニア利用脱炭素発電システムの構成例
  3. NOxとN2Oの発生と抑制技術
    1. NOx/N2O生成・還元メカニズム
    2. アンモニア燃焼によるNOx/N2O発生
    3. NOx/N2O発生の抑制法
  4. 今後の展望 (まとめ)

第2部 水素・アンモニア発電の技術開発の現況について

(2022年9月26日 12:15〜13:45)

 発電分野でのカーボンニュートラル実現における水素・アンモニア発電の重要性、水素・アンモニア発電の技術開発の現況と導入に向けた課題を概観し、水素・アンモニア発電の社会実装に向けた見通しについて考察する。具体的には、石炭火力へのアンモニア混焼技術の開発状況、ガスタービンや燃料電池への水素・アンモニア利用に向けた取り組みを紹介するとともに、その技術課題について説明する。あわせて、国の政策動向、水素・アンモニア燃料のサプライチェーン構築に向けた国内外のプレーヤーの動き、既設火力発電所への水素・アンモニア燃料導入に係わる課題を整理する。

  1. 水素・アンモニア発電の重要性
  2. 水素・アンモニア燃料のサプライチェーン構築に向けて
  3. 水素・アンモニア燃料導入に向けた政府の政策動向
  4. 国内外のプレーヤーの動き
  5. 発電所への水素・アンモニア燃料導入に係わる課題
  6. 石炭火力へのアンモニア混焼とNOx対策
  7. 水素・アンモニア燃料によるCO2フリー発電技術の開発状況
  8. 水素・アンモニア発電の社会実装に向けた課題と方策

第3部 CO2フリー燃焼に向けたアンモニアバーナーの最適化設計

- 高負荷燃焼とNOx低減の同時機能の発現 -

(2022年9月26日 14:00〜15:30)

 脱炭素社会の実現に向けて、水素を効率よく運搬・貯留するために水素キャリアとしてアンモニアが注目されている。しかしながら、アンモニアの層流燃焼速度は 6.0cm/s 以下であり、従来の炭化水素燃料 (石油系燃料) と比較すると低く、安定燃焼が困難である。かつ、強制的に燃焼させると大量の窒素酸化物 (NOx) を生成する。  そこで本セミナーでは、この難燃性の NH3 を安定に高負荷燃焼させ、かつ NOx を同時低減できるバーナーを実験および数値計算から設計していく。特に数値計算においては、NH3/H2 燃料を扱う場合のスキーム選択や ThermalNOx と Fuel NOx を分離した上でのバーナーにおける生成/消滅機構、およびNOx還元域のアクティブ設定について解説する。

  1. 研究背景
  2. 火炎構造の計測方法 (実験)
  3. 高負荷燃焼 (乱流燃焼) の実現化
  4. アンモニア同軸バーナーの火炎構造の結果 (実験)
  5. 火炎長に及ぼす高速空気流 の影響
  6. NOx値 (実験)
  7. 数値解析 (富岳)
  8. 支配方程式と境界条件の設定
  9. 計算モデルとアルゴリズムの設定
  10. 計算空間と格子 (メッシュ) の設定
  11. 解析結果
  12. シミュレーション精度 (信頼性)
  13. 低燃焼性を示すNH3の燃焼メカニズム
  14. 最適な反応スキームの選択および燃焼速度 (NH3/H2) に及ぼすスキームの影響
  15. NOx値 (精度の検証)
  16. N系の主要反応パス (NOxの生成・消滅機構)
  17. Thermal NOxとFuel NOxの分離
  18. まとめ (高負荷燃焼とNOx低減の同時機能の発現)

第4部 既設微粉炭火力におけるアンモニア混焼時の低NOx対策

(2022年9月26日 15:45〜17:15)

 カーボンを含まないアンモニアの火力発電での燃料利用は、CO2排出量を直接削減できる有望な手段として期待されている。その一方で、石炭中に含まれる1~2%の窒素分に起因して発生するNOxの低減には、メーカ各社が長年苦労して取り組んできた経緯もあり、窒素分を含むアンモニアの混焼によるNOxの増加は最大の懸念事項であった。当所では、戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) およびNEDO事業での研究により、既設微粉炭火力へのアンモニア混焼率20%を目標とした低NOx燃焼技術の開発に取り組んできた。  本講演では、既設微粉炭火力に適用可能なアンモニア混焼時の低NOx燃焼技術について紹介する。

  1. 背景
  2. 電力中央研究所でのこれまでの取り組み状況
  3. アンモニアの燃料としての主な特徴
  4. 既設微粉炭火力発電所での利用方法と主な課題
  5. アンモニア混焼時の懸念事項
  6. 電力中央研究所保有の燃焼試験設備
  7. 燃焼場へのアンモニア供給方法
  8. アンモニア注入条件の違いがNOx濃度に及ぼす影響
  9. アンモニア混焼時のNOx濃度に及ぼす石炭種の影響
  10. アンモニア注入バーナ段の違いがNOx濃度に及ぼす影響
  11. アンモニア注入ノズルの改良による低NOx効果
  12. 燃焼用空気条件の適正化による低NOx効果
  13. アンモニア混焼に関する現行プロジェクトの概要
  14. 今後の展望
  15. まとめ

受講料

複数名同時受講割引について

アカデミック割引

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

ライブ配信セミナーについて