2022年1月開催CES’22から5月開催の学会SID’22を見ると、OLEDパネルおよびこれを搭載したディスプレイ機器のピーク輝度が飛躍的に向上した。TV、モニター用途での性能向上の中心は韓国Samsung Display (SDC) が長年開発してきた量子ドットOLED (QD-OLED) の製品化である。
OLEDのピーク輝度は、昨年までのLGディスプレイ (LGD) のテレビ用白色OLED (WOLED) の800nitに留まっていたが、SDCのQD-OLEDは1,500nitを実現と公表した。色再現性も大きく向上している。一方、LGDもWOLEDの発光材料に重水素化 (D) を取り込んだ「OLED-EX」技術で、これを1000nitまで引き上げたとの発表を行った。さらに、SID’22ではLGDはWOLEDパネルにおいてMLA (メタライトレンズアレイ) 技術を搭載し光取り出し効率を20%向上し、2,000nitを実現とした。
OLED輝度が向上した背景には、タブレット、ノートPCそしてTV用途に採用された新技術「ミニLEDバックライト (Mini-LED BL) 」に対する対抗の意味がある。この技術は1000nit以上の高輝度を売りにしているためである。CES’22では、そのMini-LED BLを採用したテレビセットメーカが昨年の2倍の7社以上に増えた。これでプレミアTVを数の上で支配する戦略にみえる。
本セミナーでは、2022年のCES’22で発表された最新ディスプレイ用デバイス技術のうち、製品発売済み技術はその構造や画質を解析する。一方、現時点で開示情報の乏しい技術はSID’22報告、各社の特許公報をベースに推定を含めて解説する。まずは、SDCあるいは材料メーカの特許公報調査で、QD-OLED用カラーフィルター (CF) の構造、製造方法及び材料について解き明かす。次に、これに対抗するLED光源技術、Mini-LED BL、μLEDの動作原理、特性、構造、材料を分析する。さらに、SID’22で論文賞を受賞した出光興産発表の三重項-三重項融合 (TTF) の2層発光層を用いた青色OLEDの効率向上、インクジェット印刷 (IJP) を用いたOLED、そしてOLEDの後継技術を目指す量子ドットエレクロルミネッセンス (QD-EL) デバイスの構造、製造、材料技術も将来動向含めて解き明かす。
スマートフォン用OLEDの進化に関しては、Visionoxを初めてとする中国パネルメーカが先行した画面下カメラ (UDC) 技術を、SID’22内容をベースに解説する。中国パネルメーカとSDCの技術比較を行う。
- ディスプレイ・デバイスの構造と動作原理
- LCD、OLEDの構造と動作原理
- フォトルミ (PL) QD、QD-OLED、QD-ELの構造と動作原理
- μLEDディスプレイの構造と動作原理
- CES’22おけるディスプレイ搭載機器の提案とその後の製品化状況
- TV・モニター用途Mini-LED BL、μLED
- TV・モニター用途OLED (QD-OLED、WOLED) およびAR/VR用途OLED、μLED
- CES’22展示TVのその後の製品化状況と判明した表示特性
- ディスプレイ・デバイスの市場予測と戦国絵巻
- 特許調査で紐解くQD-OLED
- QD材料とQD-CF、QD-OLEDの開発ロードマップ
- QD-CF層の形成はホトからIJPへの転換
- QD-CFバンク材料
- QD-OLED用タンデム発光層構成、コスト低減へ向けて
- 重水素置換適用から飛躍が止まらないOLEDの効率向上
- 2021年から始まっていたスマホ用OLEDの効率向上
- 青蛍光材料のドーパントへの重水素置換内容とその事例
- OLEDーEX発表に連動して出願増加の青蛍光体特許 (LGD)
- 2層青発光層構造でのTTF効率向上等 (SID’22:出光興産)
- メタライトレンズアレイ (MLA) によるWOLED取り出し効率向上 (SID’22:LGD)
- Mini-LED BL技術
- 高コントラスト比実現のLD駆動
- Mini-LED BL搭載iPad Pro/Macbook の構造、表示性能
- Mini-LED BL搭載Samsung TVの表示性能、改善策への課題
- μLEDディスプレイの事始めと構造分類、用途別技術
- μLEDディスプレイの事始めと分類
- 商品化対応μLEDディスプレイ (CES’22含む)
- Samsungのタイル方式TV用μLEDディスプレイ
- ARグラス構造と採用が開始されたμLEDディスプレイ
- コンタクトレンズディスプレイ進化を支えるμLEDディスプレイ (SID’22)
- 画面下カメラ (UDC) 技術の最新動向
- 先行する中国パネルUDC技術
- US特許分析に見るSDCのUDC技術
- 継続開発位置づけのOLED、QD-EL技術の解析 (パターニング製法視点)
- All IJ印刷に挑戦するOLED開発 (SID’22:SDC)
- IJ印刷を前提としてOLED継承を狙うQD-ELデバイス (SID’22:SDC)
- IJ印刷高効率QD-ELに加え高精細はホト加工も狙う (SID’22:BOE)
- まとめ:2022年のディスプレイ輝度と進化の製品サイクル
案内割引・複数名同時申込割引について
R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。
「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
- R&D支援センターからの案内を希望する方
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
- R&D支援センターからの案内を希望しない方
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
ライブ配信セミナーについて
- 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
- お申し込み前に、 視聴環境 と テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
- タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
- 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
- Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。