リアルワールドデータ (RWD) を活用した臨床試験デザインの最適化

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はじめに: リアルワールドエビデンスを実現するために

- リアルワールドデータを専門とする企業の視点から -

(2022年9月14日 10:30〜11:00)

 欧米各国でRWEの活用が進む中、日本でも当局・アカデミア・企業での検討・活用が進みつつあります。その過程で見えてきた課題を整理し、紹介します。業界の背景や製薬企業の置かれている状況を知ることで、田中先生・宮脇先生の講演から得られる学びが深くなることを狙いとします。

  1. 日本でリアルワールドエビデンスが進まない理由
    • データベースの未成熟
    • 統計・疫学人材不足
    • 当局と企業の連携
    • 当局はリアルワールドエビデンスの出口を約束するのか?
  2. リアルワールドエビデンスの評価の課題
    • エビデンスを比較、統合しづらい
    • レビュアーの評価の負担
  3. リアルワールドエビデンスの評価が難しい原因
    • 研究デザインや解析手法の多様さ (RCTとの比較において)
    • reproducibilityとtransparency
  4. 製薬企業として出来ること
    • 戦略で組織を動かす
    • 臨床、アカデミア、当局との連携

第1部 統計的視点でみたリアルワールドエビデンスの可能性と限界

- 有効性・安全性・費用対効果の事例から得られた教訓 -

(2022年9月14日 11:00〜13:00)

 2018年にFDAがリアルワールドエビデンス (RWE) プログラムを公表して以来、RWEを積極的に取り入れた承認事例が増えています。日本の臨床開発でも、アンメットニーズの特定、治験のプロトコール作成・実施可能性調査、ヒストリカルコントロールとしてデータベースが利用されてきました。RWEを効果的に活用するためには、どのような状況下で有効性・安全性・費用対効果の根拠を得ることが困難かを把握し、RWEで解決できる問題とできない問題を見極めることが大切です。  本講座では、RWEの可能性と限界について、生物統計家の立場から解説します。後半では、データック代表取締役で脳神経外科医の二宮英樹氏と対談し、今後の展望を探ります。

  1. ケーススタディ1. CAR-T細胞療法の有効性・費用対効果
    1. CAR – T細胞療法製剤の承認事例
      1. ヒストリカルコントロール
      2. 承認審査における論点
    2. 費用対効果評価の事例
      1. 「分析の枠組み」の重要性
      2. 生存曲線の外挿
      3. 費用対効果のモデル分析
  2. ケーススタディ2. 骨粗鬆症治療薬の稀な副作用
    1. 顎骨壊死/非定型大腿骨骨折
    2. 特定使用成績調査、データベース研究、臨床試験の対比
    3. データベース研究の論点
      1. コントロールの妥当性
      2. アウトカムの妥当性
  3. 対談
    1. 生物統計家の視点でRWEをどうみるか
    2. 医師の視点でRWEをどうみるか

第2部 データベース研究の内的妥当性を高めるための方法論と実用例

(2022年9月14日 14:00〜16:00)

 RWD含めた観察研究では、交絡を取り除き、内的妥当性をいかに確保するかが課題となる。特に観察のできない因子やデータの限界による交絡の残存をいかに取り除くかという命題は常に付きまとう。本講演ではそのような限界をどのように最小化していくか、標準・発展的な方法と研究のデザインの工夫の紹介を事例とともに行うことで論じていく。最後にRWD研究で内的妥当性を追い求める意義について皆さんと考えたいと思っている。

  1. 標準的な交絡調整
    • 限定
    • 統計学的調整
    • マッチング・プロペンシティスコアマッチング
    • 事例紹介
  2. 準実験デザイン (RCTに近い環境を見出す)
    • 操作変数法
    • 差分の差法
    • 回帰不連続デザイン
    • 事例紹介
  3. 自然実験 (“自然に”起こったランダム化を追い求める)
    • 事例紹介
  4. RWDとRCT
    • 事例紹介
  5. RWD研究で内的妥当性を追い求める意義について
    • Datack二宮氏との対談

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