モノクローナル抗体のスクリーニング法と創薬への活用

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第1部. モノクローナル抗体の開発事例: 単一細胞由来抗体迅速取得法とSARS-CoV-2診断法・細胞内がん抗原を標的とするがん治療用抗体開発への応用

(2022年9月2日 10:00〜12:00)

 取得の難易度が極めて高かった抗体を、従来法よりも確実かつ大規模に取得するため、抗原特異的抗体産生単一細胞の同定法と、そこから抗体遺伝子を確実に単離し抗体として発現させる技術を開発しました。  本講演では、がん治療用抗体の開発可能性を広げる、細胞内でしか発現しないがん抗原を標的とするT細胞受容体(TCR)様抗体の取得や、SARS-CoV-2抗原診断キットの開発を例にあげ、それらの技術について紹介します。

  1. これまでの抗体取得法の概略
  2. 抗原特異的単一形質細胞の同定法
    • 小胞体を目印にする同定法 (ERIAA法)
    • 小胞体に蓄えられた抗体を用いる同定法 (FIXXA法)
  3. 単一細胞からの抗体遺伝子迅速取得・発現法
    • 懸垂液滴式磁気ビーズ反応法 (MAGrahd法) によるcDNA合成
    • 大腸菌によるクローニングを不要とする抗体遺伝子発現法 (TS-jPCR法)
  4. SARS-CoV-2迅速診断キットの開発
  5. 細胞内がん抗原を標的とするT細胞受容体様抗体
    • TCR様抗体とは何か
    • TCR様抗体の取得法
    • がん細胞を標的とするTCR様抗体による二重特異性抗体の開発

第2部 モノクローナル抗体の創薬への活用:抗GPCR抗体開発の現状と展望

(2022年9月2日 13:00〜14:45)

 Gタンパク質共役受容体 (GPCR) は、医薬品開発上、最も重要な標的分子の1つである.GPCR創薬においては低分子化合物に代わる新たなモダリティーとして機能性抗GPCR抗体が注目されている。しかしながら、未だ上市されている抗GPCR抗体は2品目しかなく、一般的に優れた開発抗体の製造は困難であると言われている。本講演では、抗GPCR抗体開発の現状と技術的展望について概説する。

  1. GPCR、トランスポーターあるいはイオンチャンネルに対する抗体医薬の現状
    • 新規抗体医薬開発の潮流
    • GPCR低分子創薬の課題と新規モダリティー
    • 抗GPCR抗体医薬の市場と開発状況
    • トランスポーター・イオンチャンネル等の抗体医薬
  2. 複数膜貫通型タンパク質に対する抗体医薬開発の困難性
    • 構造上の課題
    • 抗体ライブラリー作成上の課題
    • スクリーニング上の課題
    • プロファイリング上の課題
  3. 複数膜貫通型タンパク質に対する抗体医薬開発に必要な技術
    • 免疫抗原フォーマット (DNA免疫、タンパク免疫)
    • 抗体スクリーニング (ハイブリドーマ法、Single B cell 解析)
    • 抗体プロファイリング (機能性評価、特異性評価)
    • in vivo 薬理試験
    • Phage display 法
  4. MoGRAA?ディスカバリーエンジン 法を用いた開発候補抗体取得の事例
    • 自己免疫疾患治療薬を目指した脂質関連GPCRに対する抗体創薬
    • 線維症・がん治療薬を目指したケモカインGPCRに対する抗体創薬
  5. 総括と展望

第3部 モノクローナル抗体の取得方法・構造認識: 医薬品・検査薬開発に有用な構造認識抗体を、選択的かつ簡単・短期間に取得する方法開発

(2022年9月2日 15:00〜17:00)

 近年、バイオ医薬品や検査原薬としてタンパク質のような生体物質と高い親和性を持つ構造認識モノクローナル抗体のニーズが高い。しかしタンパク質の高次構造、特に三次構造認識抗体を得るには多くの労力と時間がかかる上に、取得効率が低いことが課題である。我々は、2つの新しいモノクローナル抗体スクリーニング法を開発し、最初の免疫から抗体産生株樹立まで45日以内に高結合特異性・親和性で、タンパク質高次構造を認識するモノクローナル抗体を極めて高い効率で取得することに成功した。  本セミナーでは方法の概略と取得抗体の構造認識能を説明する。

  1. モノクローナル抗体作製の課題
  2. 免疫方法の改良
  3. スクリーニング法概要
    • 一次スクリーニング法:MIHS法
    • 二次スクリーニング法:SAST法
  4. 組換えタンパク質抗体作成実例紹介
  5. MIHS法とSAST法で取得した抗体の評価
    • 結合特異性
    • アイソタイプ評価
    • 結合強度の評価
    • 構造認識能の評価/免疫沈降能/dSAST法
  6. 今後の展開と課題

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