国内外の洋上・陸上風力発電の最新動向と今後のビジネス・チャンス

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本セミナーでは、国内外における陸上・洋上風力発電を取り巻く最新動向と将来的な展望について解説いたします。

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新型コロナウイルスの感染拡大、ウクライナ危機を経て、日本を含めた世界は、脱炭素の切り札として、洋上風力発電に大きく注目している。しかし、2021年12月に実施された秋田県、千葉県の洋上風力発電の公募入札について、三菱商事グループは、1キロワット時当たり11円~16円の破格の安値を提示し、その全てを落札した。これに数多くの風力発電事業者は大きな衝撃を受けている。日本国内における風力発電事業も熾烈な価格競争の時代に入ったと言えよう。  日本は、2030年度に温室効果ガス46%削減の目標を掲げ、2021年10月22日にエネルギー基本計画を閣議決定し、2030年度の電源構成における再生可能エネルギーの割合を36%~38%に引き上げる意欲的な目標を設定した。先進国、途上国を問わず、脱化石燃料の切り札として、従来の陸上風力発電に加えて、風況が安定した洋上風力発電の重要性が、世界的に一段と注目されている。風力発電は、もともと開発の歴史が長く、技術革新、機器の大型化、量産効果により、発電コストが低下している。世界的に発電コストは、平均1キロワット時当り8.8円程度とグリッド・パリティーとなっている。風況の良い場所においては、大量の発電を行うことが可能であり、2021年末時点において、世界全体で8億6,280万キロワットに達する風力発電設備が稼働し、世界全体において年間11億トンを超える炭酸ガス排出削減効果があり、大規模風力発電所 (ウィンド・ファーム) は、100万キロワットを超えるものが次々と誕生している。風力発電は、ライフ・サイクルで見た炭酸ガス排出量が少なく、独立した分散型電源として、離島、過疎地の電源としても利用が可能であり、夜間にも発電できる。既に、国土面積が広い中国、米国等においては、風力発電の普及が進み、今後は、日本のみならず、電力需要の伸びが著しい台湾をはじめとしたアジア、アフリカ等における風力発電の普及が見込まれている。  風力発電に関しては、発電量の増加、発電コストの低下を目指して、機器の大型化が行われており、洋上風力発電の風車の直径は200メートルを超え、1基当たりの発電量も1万キロワット超のものが開発されている。日本は、世界第6位の排他的経済水域 (EEZ) を誇り、洋上風力発電の今後の発展が期待されている。日本は、2040年には7,000万キロワット近い風力発電の導入が見込まれ、そのうち半分は洋上風力発電が予測されている。2020年12月25日に、日本は、グリーン成長戦略を掲げ、2030年までに1,000万キロワット、2040年までに浮体式を含めて3,000万キロワット~4,500万キロワットの洋上風力発電を整備する目標を掲げている。しかし、デンマーク沖合いと異なり、日本の場合には遠浅の海域が少なく、今後は着床式から、浮体式洋上風力発電の技術開発が期待され、2018年12月には、洋上風力促進法 (再エネ海域利用法) が成立し、最長30年間、海域を利用できる規制緩和が行われ、洋上風力発電建設用のSEP船の建造も行われている。秋田県をはじめとして洋上風力発電の促進区域を経済産業省が選定している。三菱商事、戸田建設、ENEOS、関西電力等が、洋上風力発電事業者となっている。  長期的にも、日本における2030年までの経済波及効果は、15兆円、9万人の雇用創出が見込まれている。台湾も2030年までに1,000万キロワットの洋上風力発電を計画し、世界の洋上風力発電は、2020年の3,529万キロワットから、2030年には2億3,400万キロワット、2040年には5億6,200万キロワット、2050年には14億キロワットに達することが見込まれる。2020年11月には、EU (欧州連合) は2050年の洋上風力発電を3億キロワット、陸上風力発電を7億キロワットとする意欲的な目標を表明した。今後もロシア産天然ガスからの脱却を目指し、世界的に陸上風力発電・洋上風力発電の拡大が見込まれ、2030年には21億1,000万キロワットと、世界の発電能力の2割を占め、2050年には60億キロワットと、世界の風力発電市場は、200万人を超える雇用を創出すると予測されている。  風力発電は、太陽光発電と異なり、風車、軸受け、変速機、発電機をはじめとした2万点の部品から構成されるモノづくりの集積であり、風車に用いる炭素繊維をはじめとして、日本企業が素材・部品の強みを持っている。しかし、世界最大の風力発電国は、米国を抜いて中国となり、中国は国内メーカーの育成に力を入れている。中国企業、インド企業の台頭、先行する欧米企業の洋上風力発電事業強化により、風力発電における発電効率向上、価格競争が熾烈となっている。日本は、風力発電事業から撤退する企業もあり、時間がかかる環境アセスメントの規制、立地の制約、送電系統の空き容量の制約、漁業権等から、期待されていたほど風力発電の開発が従来は行われていない。しかし、新型コロナウイルス禍を経たインフラストラクチャー成長戦略分野の主役として、年間1兆円を超える日本の風力発電市場の成長への期待がかけられている。  陸上風力発電、洋上風力発電が、日本および世界において、どのように成長するのか、入札のルール作りが迷走する状況において、日本企業にとっての今後のビジネス・チャンスの可能性について分かりやすく解説する。

  1. 世界における風力発電の現状と今後の動き
    • ウクライナ危機と風力発電
  2. 日本における風力発電の現状と今後の可能性
    • 再エネ海域利用法、公募入札
  3. 再生可能エネルギーの一つとしての風力発電のメリット
  4. 再生可能エネルギーとしての風力発電のデメリット
  5. 世界における風力発電の資源量
    • コストが安価な最大の再生可能エネルギー
  6. 日本における風力発電の資源量
    • 狭い国土と大きな排他的経済水域
  7. 風力発電における技術革新の最新動向
    • 風車の大型化と軽量化、低コスト
  8. 陸上風力発電の最新動向と今後の可能性
    • 日本と世界の市場規模
  9. 洋上風力発電の最新動向と今後の可能性
    • 海洋構造物の開発と環境規制緩和
  10. 洋上風力発電の市場規模
    • 期待される日本市場、台湾市場、欧州市場
  11. 中国における風力発電の現状と今後の動向
    • 中国企業の動きと価格競争力
  12. 米国における風力発電の現状と今後の動向
    • バイデン政権による洋上風力
  13. 途上国における風力発電の今後の可能性
    • 台湾、アフリカにおける開発動向
  14. 風力発電に関する公募入札の今後の見通し
    • コスト引き下げと事業開始時期
  15. 小型風力発電事業の現状と今後の動き
    • 日本の市場規模
  16. 世界における風力発電の市場規模
    • 巨大メーカーによる熾烈な競争
  17. 日本における風力発電の市場規模
    • 期待される浮体式の技術革新とコスト
  18. 風力発電事業における日本企業の強み
    • 部品・素材技術の可能性
  19. 風力発電事業の展開における留意点
    • 経済性評価と建設コスト、地元調整
  20. 風力発電について日本企業がとるべき戦略
    • 海外企業との機動的な連携

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