本セミナーでは、積層セラミックコンデンサの構成部材、材料設計、プロセッシング技術の動向から課題・将来展望までを解説いたします。
積層セラミックコンデンサは電子回路中の受動部品として欠かせない存在であり、その発展 (小型化・高性能化) が近年著しく、スマートフォンをはじめとした様々な機器に数多く搭載される代表的な電子部品として注目されている。 本セミナーでは、これまでの誘電体セラミックス材料の開発経緯と製造工程、今後期待される材料 (設計) について触れた後に、成形体の作製 (テープ成形中心) ・乾燥過程から積層型素子とするための積層・焼成過程に至る製造プロセス (水系および有機溶媒系) に関わる重要な因子について解説し、さらに還元雰囲気焼結のための技術についても紹介する。ここでは、成形体中の原料粉体の分散状態と焼結後のセラミックスの微構造、脱バインダ過程が製品の各種特性へ及ぼす影響、またプロセスウィンドウに与える機能元素のドープ効果、積層型成形体の製造プロセスと構造欠陥・信頼性との関係など様々な角度から得られたデータをもとに議論を進める。また、従来の製造方法に代わる新規のプロセス技術に関する研究例の紹介も行う。 本セミナーの内容は、誘電体セラミックスに限らず幅広い (他の) セラミック材料系へも展開が期待でき、これまでの経験的な要素ばかりでなく積極的にサイエンスを導入することにより、今後の開発に大きな効果を見出すことを目指す。