第1部 加速試験による医療材料の安定性評価と有効期間設定
(2022年7月22日 10:00〜12:00)
- 本評価の意味:
安定性評価、有効期間設定データは、記載規格性能の、確実な発現を確認する、承認付与可否判断最重要資料ですが、『評価用試料は、最終製品で、出荷までの全工程を経たものを用いる事』との指示は、誤解され、データ採取着手が、申請前に計画されがちで、長期の実時間データ採取期間が承認取得を遅らせ、不十分な結果や、設計上の見落としへの即時対応は困難で、進め方に工夫の余地があるのではないでしょうか。
- 開発設計の見地から:
開発設計初期段階で基本品質に重点を置き、最終製品仕様案を決め、実績と信頼性を有する部材や方法で評価用試料を調製、実時間と加速条件の両方で安定性評価評価を走らせます。問題を早期にすくい上げ、実時間試験と加速試験の換算法を確保し、最終製品仕様確認後、再度加速試験を走らせ、上記換算法で、実時間評価の結果を推定した上で、整合性ある必要な有効期間で承認を取得することができます。事業化後の初期流動管理終了時、必要に応じ当局の通知に従い、必要な有効期間の延長一部変更申請を行うことも考えられます。
本講座では、合理的、効率的事業化を目指し、開発設計自体の工夫に加え、実時間試験と加速試験構築をサポートする科学的根拠などについて、人工心臓をはじめ、多くの製品事業化経験の実例の紹介を交えながら、破壊解析、寿命の確率分布を基盤とする寿命推定など、科学的な根拠についてもご紹介させて頂きます。
- 初めに.医療機器の機能・性能と構成医療材料の関係
- 安定性評価の目的達成に必要な、重要評価要素組の組み合わせ
- 安定性評価システムの設計
- 製品や材料の劣化、破壊、寿命低下の原理について考慮を払う
- 何故、医療材料の安定性評価と、有効期間設定データが要求されるか
- 安定性評価の重要性と、適切な評価の実施時期。
- 加速試験法確立が不可欠な理由。
- 大きな矛盾克服のヒントは、いつも開発設計の原点にある。
- 製品の品質、機能を正しく救い上げる評価スケールの決定が安定性評価、有効期間推定の大前提
- 開発初期段階で如何に、評価試料を調製し、安定性評価、有効期間推定を進められるのか。
- 製品有効期間設定の考え方と根拠
- 製品ライフサイクルの確認は開発の入り口
- 開発着手段階での重要材料等の安定性評価の重要性
- 承認申請段階での安定性試験は、開発設計の大きなリスク
- 重要な留意点 加速試験の限界と破壊解析の重要性
- 保存安定性試験の加速条件と設定の根拠 アレニウスの式の応用
- 機械的、繰返し作動・変形等による寿命試験根拠と、WLF式の温度、時間、速度換算の応用
- 低故障頻度製品の故障解析と寿命推定 実例を上げながら
- おわりに
- 申請書添付データは、製品用途、役割を踏まえ、評価すべき最重要要素の安定性を表現したものに。
- 最終の安定性評価、有効期間推定結果がまだ不十分な場合の処置、如何なさいますか?
解説を踏まえ、上記質問に、皆様、如何にお考えになられるでしょうか?
遵法で合理的なアクションについてご一緒に考えましょう。
第2部 医療機器の放射線滅菌における樹脂劣化対策および安定性試験のポイント
(2022年7月22日 13:00〜14:30)
多くの医療機器・医療用材料に放射線滅菌が使用されています。どんな滅菌法でもデメリットはあり、放射線滅菌では放射線照射による樹脂 (プラスチック) の劣化などの課題があります。製品だけでなく滅菌状態を維持 (一次包装) する役割を持つ包装材料にも影響を与えます。放射線照射によって樹脂材料に材質劣化を引き起こすため、その選定や対策が肝心です。
これまで受託放射線滅菌業者で培った多彩な分野・製品における実務経験から、本講座では、樹脂劣化の原因・機序 (メカニズム) および製品実例を挙げて課題解決法を解説します。また、製品および包装材料の安定性試験における長期安定性や有効期間の設定・考え方、試験検討・評価時の注意点、申請時の自己宣誓書の有効活用および安定性試験の実施例についてポイントを説明します。併せて耐放射線包材の開発事例についても触れます。
- 滅菌の種類と原理
- 各滅菌方法の注意 (留意) 点
- 放射線照射による材質への影響
- 放射線劣化のメカニズムと原因
- 材質劣化克服策
- 放射線滅菌における材料選択のポイント
- 耐放射線包材の開発事例・経緯
- 放射線滅菌製品の滅菌実務と承認申請に関する通知にかかる対応について
- 安定性及び耐久性 (添付資料と宣誓書)
- 長期安定性評価と有効期間の設定
- 安定性試験の実施例
- 質疑応答
第3部 医療機器・材料における溶出試験・E&L評価
(2022年7月22日 14:45〜16:15)
医療機器やその構成材料は、その由来成分が最終的に体内に侵入する可能性があるため、安全性を確保するためにその溶出物を精査する必要がある。ISO 10993 – 18:Biological evaluation of medical devices – Part 18: Chemical characterization of medical device materials within a risk management process) において、溶出物評価およびリスクアセスメントが規定されており、2020年の改訂を経て、その評価の重要性・必要性が増してきている。近年ではその評価手段として“Extractables & Leachables (E&L) ”の評価が広く知られるようになってきた。
本講座ではE&Lが必要となった時代背景や近年の動向に触れるとともに、実施に際しての留意点、試験条件設定や機器分析、リスクアセスメントの事例を紹介する。
- E&L (Extractables & Leachables) とは?
- E&L実施例の紹介
- 実施の流れ
- 試験条件
- 機器分析 (定性、定量)
- 分析事例
- リスクアセスメント
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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アカデミック割引
- 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)
日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。
- 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
- 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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